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Tモバイルが強い! 欧州プリペイドSIM比較対決!【ドイツ編】

2015年10月16日 12時00分更新

文● 天野 透

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緒戦は三者三様の導入トラブル

 ここで三者三様の問題が発生する。最大手のT-Mobileは、開通はトラブルレスで早かったのだが、対応してくれたオジちゃんは英語があまり話せなかった。筆者は多少ドイツ語の心得があるので、英語交じりの基礎レベルのドイツ語でなんとか開通まで乗り切ったのだが、iPad用にnano SIMを要求すると、なんとmicro SIMをSIMカッターでザクリという、日本のキャリアショップでは想像もつかないようなブッ飛んだ対応を見せてくれた後、ご丁寧にカッターナイフで削って大きさを調整してくれた。

ドイツで入手したプリペイドSIMのパッケージ。1GB以下のプランがメインなので、ガンガン通信をしているとすぐに容量オーバーになってしまうことがある。ヘビーユーザーは予めトップアップをしておくことをオススメする

 早速手に入った海外SIM第一弾を、今回の旅のために導入したAterm MR04LNに挿そうとして、O2のnano SIMで取り出されたmicro SIMのアダプターを使って試したところ、お約束通り端子のピンを曲げてしまって片スロットを潰してしまった。トホホ……

 次にVodafoneだが、モール内のショップでは在庫が無いのか「50ユーロのカードしか案内できない」と言われてしまった。ショッピングモールは海外渡航者よりも地元の人間に合わせた品揃えなのだろうか、それとも単なる仕入れの怠惰か。仕方なくVodafoneだけはモール近くにあった別のショップで購入した。そこで案内をしてくれたお姉さんは、若干ドイツ語混じりな英語で、サックリと開通作業を済ませてくれた。ホテルの住所も要求されなかったのは特筆すべき点だろう。

 唯一ウェブサービスに利用するらしい暗証番号の設定時のみ、通常英語で表現される「PIN code」ではない別表現だったので戸惑った。この辺りで筆者の英語力は推して知るべしである(逆に言うと、この程度の英語力でも海外旅行ってなんとかなっちゃうんです)。

 O2もホテル住所不要で、対応してくれたニイちゃんは英語堪能だった。ところがこのO2は、ドイツでの開通までに一番時間がかかってしまった。ネックになったのは初期トップアップ(現地では料金チャージをこう呼ぶ)用の引き換えコード認証で、通常はパッケージに入っているスクラッチコードを利用端末上で入力するだけで完結するはずが、どうも上手くいかない。

 色々試してもらったが、結局店のニイちゃんが電話でオペレーターにつないで処理してもらった。電話での登録申請から完了までの時間はおおよそ1時間。ざっとコーヒー2杯分、ゆっくりとベルリンの通りを眺める時間を用意してくれるとは、なんとも粋な計らいである(白目)。

ドイツのプリペイドSIMは3G通信が基本

 世は4GやLTEといった高速モバイル通信が真っ盛りで、一昔前では考えられなかった100Mbps越え(もちろん理論値だが)も当たり前となった。そんな国際情勢を受けて、ドイツの通信キャリア各社も当然高速モバイル通信を提供しているが、旅行者をはじめとしたデータ用プリペイドユーザーは、残念ながら4G LTEの恩恵に預かれない。

メッセベルリンに設置された臨時ATM。会場はあちこちにビールスタンドやスナックスタンドがあり、お金を使う空間が結構ある。メッセには常設のATMもあるが、世界中からIFAへ集まった人達に対応するため、トラックがドル袋と機械を担いてやって来る。IFAの開催規模を物語る景色だ

 T-MobileとVodafoneの2社は、通話込みのプリペイドプランにLTEを開放しているのだが、データ用プリペイドユーザーは3Gでのネット接続が基本となる。高速通信に慣れた身からすると、数Mbps程度の速度では物足りなさを感じるが、まったくネットに繋がらない事を思うとずっとマシだろう。

 コストとしては、T-Mobileが7日間500MBで9.95ユーロ、Vodafoneが30日間1GBで14.99ユーロ、O2は5ユーロで1ヵ月200MBのプランが利用できる(イニシャルコストは9.99ユーロ)。今回筆者はどうしてもドイツ国内で電話が必要だったので、Vodafoneのみ通話パックとなっている事をご了承いただきたい。

 SIM交換する際のお決まりごとであるAPN設定は、各社以下のものを利用した。

T-Mobile

  • APN:Internet.telekom
  • ユーザー名:t-mobile
  • パスワード:tm
  • 認証タイプ:設定なし

Vodafone.de

  • APN:web.vodafone.de
  • ユーザー名:なし
  • パスワード:なし
  • 認証タイプ:設定なし

O2

  • APN:pinternet.interkom.de
  • ユーザー名:なし
  • パスワード:なし
  • 認証タイプ:設定なし

海外のスピードテストには海外のアプリを利用

 今回の企画ではSpeedSmart(こちら)という海外のスピードテストサービスを利用している。国内ではBNRスピードテスト(こちら)やRBB SPEED TEST(こちら)などが有名だが、これらはいずれも日本国内向けのサービスで、計測サーバーも日本にある。如何にネットと言えど、地球を半周しての速度計測は正確性に劣るだろう。

 その点、SpeedSmartは世界各地に100以上の計測サーバーを持っており(日本では東京と札幌にサーバーがある)、位置情報サービスを使ってサーバーを自動選択してくれる。勿論手動で最寄りのサーバーを選択することも可能だ。一回のテストで上下回線両方の測定ができることもうれしい。

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