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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第137回

久々にLumiaフラグシップを発表 Windows 10はマイクロソフトのモバイル事業の問題を解決するか?

2015年10月14日 10時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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スマートフォンはデバイスの1つに――
ライフスタイルを描く

 Microsoftはこのイベントで、Lumia 950/950 XL以外にも、最新のタブレット「Surface Pro4」、ウェアラブル端末「Microsoft Band2」、さらには2-in-1端末「Surface Book」を発表した。最新の「Xbox One」、ARデバイス「HoloLens」のDevelopment Editionについても最新情報が発表されている。

プレミアム2-in-1端末の「Surface Book」。日本上陸はある?

 中でもSurface Bookは「MacBook Pro」対抗のノートPCで、キーボードから取り外しでき、タブレットとしても利用できる。ペン入力できるタッチ画面、ユニークなヒンジなどたくさんの特徴を盛り込んだ。

 7月のWindows 10のローンチはこれまでのようにOEMが一斉にWindows 10搭載PCを発表というものではなく、まずはWindows 7/8系ユーザー向けにアップグレードとして提供を開始するという新しいリリース方法だった。Microsoftは今回「我々のハードウェアへのアプローチは、カテゴリーを再度イノベートすること」としているが、Surface BookでPC市場にハードウェアベンダーとして参入することとなった。

 変わりつつあるのはハードウェアという新事業だけではない。OSとサービスへの考え方もだろう。かつてOSとの抱き合わせで独占禁止法訴訟問題になった同社だが、OfficeのiPad、Android対応など、サービスをさまざまなプラットフォームに提供するという方針を実行している。

 9月、米Salesforce.comのイベントに登場したMicrosoftのCEO、Satya Nadella氏は、「モビリティーはさまざまなデバイス間での人間のエクスペリエンスの中心になる」という考えを示した。「PC市場、スマートフォン市場とさまざまな市場が生まれ、次はウェアラブルやウォッチかと言われているが、(モバイル戦略は)単一のデバイスカテゴリーではなく、ユーザーのモビリティーを実現すること」と語る。それを実現するのが「Windows 10」という。このとき、Nadella氏はiPhoneでOutlookアプリのデモを行なっている(関連記事)。

 Microsoftは、Surface BookでAppleと同じようにPC、スマートフォン、ウェアラブル、タブレットなどを揃えた。スマートフォンがコモディティー化し、成熟に向かう中、単体のフラッグシップではなく複数のデバイスが実現するライフスタイルで訴求することになる(一方、AppleのCEO、Tim Cook氏は米Box社のカンファレンスで、1つのOSですべてが動くという戦略を批判し、「iOS」と「OS X」の2本柱を続けるとした。両者のアプローチの違いも興味深い)。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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