社名にはあえて日本の文字を付けた
そして、岡社長が強調してみせたのが、社名に「日本」という冠を付けたこと。
「日本HPの社名に、『日本』という名称が付いているように、日本の顧客に最適化した製品スペックを実現し、さらに、日本に最適化したサービス、サポート、品質を提供する。そのために、日本独自の工夫を凝らしていくのが、日本HPの役割になる」と発言した。
日本向けに最適化した製品、サービスの特徴として、この日、示して見せたのが、デジタル印刷機である「HP Indigo」に対応した蛍光ピンクインクの提供。この色を、雑誌や同人誌、単行本、ポスター、チラシなどの印刷に活用したいという印刷業者が日本には多く、なかには、「蛍光ピンクがなければ、Indigoの導入には踏み切れない」という声も出ていたとか。こうした日本からの要望に応えて実現したのが、今回の蛍光ピンクインクであり、IGASの日本HPブースに展示された蛍光ピンクインクの刷り見本は、会期初日から何度も補充しなくてはならないという注目ぶりだった。
岡社長も、「ピンク色の蛍光インクの投入は、日本の要望から生まれたもの。こうした日本の顧客にとって役立つもの、日本でのビジネスに不可欠なものを提供するのが我々の役割。日本の品質に対する高い要求にも対応する体制を整えている」とした。
とくに、新生日本HPになって、今後の課題となると想定されているのが、日本におけるプリンティング事業の拡大だ。
岡社長も、「HPが最も強い事業が、プリンティング事業となる。5,000円ほどの個人向け低価格プリンタから、デジタル印刷やラージフォーマットプリンタといった領域においても、世界的に群を抜くマーケットシェアを持つリーダーである」とし、「日本においても、世界と同じようなプリンティングビジネスを行なっていくことが我々の使命になる」と宣言する。

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