米ワシントン大学の研究者は9月23火、脳波を用いた情報伝達で遠隔地にいる2人の脳を接続した実験を行ない、質問ゲームの答えを高確率で回答できたと発表した。
これは脳波計(EGG)と経頭蓋磁気刺激(TMG、外科手術なしに頭の外から磁気で脳を刺激する装置)を利用し、1マイルも離れた場所にいる2人の間で脳波による通信を行なう実験。実験は『空を飛ぶか』、『ペットかどうか』といった質問を繰り返し、回答者が頭に浮かべた動物を当てる「20の質問」ゲームの形をとっている。
質問者はパソコン画面に用意された一覧から質問を選び、回答者は画面に表示された質問を見てYES/NOで答える。回答者側からの答えは質問者に画面や音声で通知されず、回答者が装着した脳波計からの信号を読み取って、質問者の頭部への磁気的な刺激として通知される。
ポイントは回答者がYES/NOを選択する際、YES/NOの所に異なる周波数(12Hzと13Hz)で光るLEDを用意してある点で、これにより回答は視覚野の脳活動して読み取りやすくなる。信号はTMGによって受信者(質問者)の脳に通知されるが、TMGの磁気刺激は二次視覚野の神経刺激となって、視覚内の閃光または点滅として知覚される(映像が脳内でどう変換されるかは人ごとに異なるので、どこがどう光るかまでは現在の技術では制御できるない)。
質問者は回答者がどう答えたか、脳波による通知以外で分からないにもかかわらず、20の質問ゲームとしては72%という確率で質問者側が答えを的中できたという。TMGを用いた脳刺激は、視覚に混じる閃光などによって簡単な情報伝達ができることはすでに分かっており、この実験も技術自体は目新しいものではないと考えられるが、脳波計とLED点滅、Q&Aの繰り返しを組み合わせることで、一種の“思考伝達”を行なえる点を示しているのは興味深い。