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盛田 諒の“インタビュー前陣速攻”

大人気『ダンボーバッテリー』世界に挑む大阪のおっちゃん

2015年09月30日 17時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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マーケティングリサーチなんてやってません

──ただ、会社概要を拝見すると、ティ・アール・エイさんはもともとモバイルバッテリーと無関係の会社みたいなんですけど。

そうです。機械部品を製造する会社でした。国内外から素材を調達して、シャッターや、立体駐車場、コンベア関係の部品をつくって売っていたんですが。100%産業機械をずーっとやって、もう30年以上になりますかね。

──それでいきなりモバイルバッテリーというのはどうしてですか?

家族で宮古島に行ったことがありまして。

──いきなりですね。宮古島ですか。

息子がとても方向音痴で、自転車であちこちをうろうろやっていたんです。「マップを見ながらうろうろやってると電池を食う。これなんとかできへんか」そう言われたんで、それおもろいなと。

──めちゃくちゃ身近な動機ですね。

最初は、自転車のダイナモを使って充電したらどうやろと思ったんです。回るから充電できるやろと、まあ単純な発想でね。いろいろ調べたらダイナモ発電できるのが香港にあった。それを買って会社のスタッフが実験をやったけど、まったく充電できなくて。くたくたになって筋肉痛を起こしたんです。そんな状態じゃあかんなと、モバイルバッテリーのほうにシフトしたんですわ。

──そこから現在のモバイルバッテリーの形で試作を始めたと。

動きだしたのが正月明けでした。2月に工場を決めて、5月に発売ですね。

──電撃的なスピードですね。当時は大容量バッテリーという商品そのものが新ジャンルだったと思いますが、市場調査なんかも並行でやられていたんですか?

マーケティングリサーチなんてやってません。戦略とくになし。

──電撃戦なのに。

やるとなったら、それくらいの速さじゃないとダメなんです。われわれの『Ingressバッテリー』も、ゼロから設計して半年で出した。ダラダラしとったら出せないですから。

──それは競合さんに出し抜かれてしまうとアカンということですかね。

競合というより、自分たちのモチベーションの問題です。やるんだったらとことんやると。まあまわりも大変、本人も大変ですけどね。

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