9月16日、「IT戦略特命委員会 インターネットメディア利活用推進議員連盟合同会議」が東京・永田町の自由民主党本部で開催された。
同会合の当日の議題は、「クラウド時代の新しいプラットフォーム(Windows 10)」について。日本マイクロソフトから、執行役 法務・制作企画統括本部長のスサンナ・マケラ氏、Windows 本部 シニアマネージャーの西野道子氏、業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏、チーフセキュリティーアドバイザーの髙橋正和氏が出席し、Windows 10の新機能や今後実装される機能、セキュリティー問題などについて、自民党議員や省庁出席者への解説、ヒアリングに応じた。
会合のメインとなったのは、Windows 10の最新プレビュー版を搭載したPCによるデモンストレーションだ。日本マイクロソフトの西脇氏は、Windows 10の刷新されたUIや、2in1デバイスの自動認識機能「Continuum」などを実演し、「Windows 8から搭載されたタッチ操作と、Windows XPやWindows 7ユーザーの好むスタートメニュー、どちらでも快適に使っていただけるOSになっている」と解説。検索メニューや、スタートメニュー・タスクバーへのピン留めの活用で、さらに利便性を高められるとした。
また、現在プレビュー版のみが提供されているパーソナルアシスタント「Cortana」日本語版のデモンストレーションも実施。「Cortanaさん」と話しかけることで、来週の天気や、カレンダーへのスケジュール追加が可能なことが実演された。プレビュー版のCortanaはいかにもな合成音声で会話するが、完成版では声優の声をサンプリングした、より自然な音声が実装されるという。
セキュリティー関連の機能としては、3Dカメラによる生体認証機能「Windows Hello」が実演された。対応3Dカメラの搭載により、写真をつかった顔認証をブロックしたり、一卵性双生児の識別が可能なほどの高い精度を誇るため、従来のようなパスワード入力をはるかに上回るセキュアな認証が可能になるという。加えて、スマートフォンやクラウドとの連携による2段階認証やリモートロックの活用など、重要書類を扱う場合もある議員の活動を想定したデモが実施されていた。
昨今注目が高まっているIoT機器へのWindows 10提供についても説明があり、自動改札機や券売機、エレベーター、エスカレーターなどへの試験導入がイギリス・ロンドン市内の地下鉄で始まっていると解説。実際にアプリを立ち上げ、エスカレーターの振動をモニタリングする様子や、監視カメラ映像などを表示してみせた。
デモンストレーションの後、参加した議員からは、生体認証に関する疑問や、頻繁な通信によるトラフィック増大の懸念など、活発な質疑がなされた。すでに無償アップグレードでWindows 10を使用している議員からの質問もあり、最新のプラットフォームに対する関心の高さがうかがえた。