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独beyerとAstell&Kernが協業

テスラ技術採用の世界初インイヤー「AK T8iE」、実売約15万円で10月発売

2015年09月15日 18時11分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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韓国アイリバー副社長のJames Lee氏とドイツbeyerでオーディオ製品のビジネス開発リーダーを務めるThmas Halbgewachsが来日し、製品を紹介した。

90年の歴史を持つヘッドフォンメーカーと、
ハイレゾをリードする新進ポータブルメーカーがコラボ

 アユートは、「Astell&Kern AK T8iE ブラック」の国内販売を10月下旬に開始すると発表した。価格はオープンプライス。同社直販サイト「アキハバラ e 市場」などで販売する。実売価格は15万円程度(税込)になる見込み。

beyerとAstell&Kernのダブルブランドで登場。MADE IN GERMANYの文字も見える

 T1などを手掛けた、ドイツのbeyerdynamic社のエンジニアが設計したダイナミック型イヤフォン。ドイツで手作業で組み立てられる。ケーブルは着脱式で、イヤフォン側との接続はMMCXタイプ。ケーブルは2種類で、プレーヤー側の端子が一般的な直径3.5mm3極タイプのものと、AKシリーズのバランス駆動用に用意した直径2.5mm4極タイプのものが同梱する。音質についてはAK380をリファレンスとした。

両社はすでにA200pやAK T5pで協業している。

 Astell&Kernとbeyerdynamicとの協業は「A200P」(AK10を海外向けにbeyerブランドで展開)、「AK T5p」(T5pのAK版)に続く3製品目。3年前から開発を開始。beyer独自のアプローチで高磁束密度を生み出す「テスラテクノロジー」を、フラッグシップモデルのT1用ドライバーと比べて1/16のサイズしかない、インイヤー向けの小型ドライバーで実現した点が特徴。これにより、高い能率が得られ、BA型を思わせる繊細な表現が可能だという。

ケーブルは着脱式

2.5mm4極のケーブルも付属する。

 ドライバーは直径11mmのダイナミック型。インイヤー型としては比較的大型ということもあり、引き締まり芳醇な低域の再現ができるとのこと。ダイヤフラムは1/100mmと非常に薄く、髪の毛の太さの1/5ほど。これが高い解像感と定位感を提供しているという。

小型のドライバーだが、テスラ級の強い磁束密度を持つ

こちらはT1のユニット。これを1/16のサイズに小型化している

磁束の強さはサイズを考慮するとT1やT5を上回るという。

生産はドイツ工場で手作業、スイスの時計並みの精密さ

 生産はすべてドイツでのハンドメイド。小型の製品となるためアッセンブリはデジタル顕微鏡を使った手作業。多くの部品も自社生産となっており、そのための機械も自社で製造しているという。全数検査の上、出荷され、左右のマッチングを1台1台見るほか、ハウジングを水中に浸して、気泡などが抜けないかを確認するなど、細かなテストを経て出荷される。

穴の部分は楕円形の独特な形状

豪華な梱包の中にはバリエーション豊富なイヤーチップを同梱している。

 独特な形のイヤーチップも特徴的。穴が楕円形で、かつ形状が帽子に似ているのでbeyer社内では、ダースベーダ―ハットと呼ばれているそうだ。これは数千集めた耳型を集めたうえで、従業員の耳を使い何百回もテストを重ね、最終的に絞られた7種類のプロトタイプの中から最適なものを1つ選んだ結果だという。イヤーチップにもこだわっており、シリコンタイプのもので5種類。さらにコンプライタイプも3種類用意する。

内部構造

 本体の表面は3層コーティングで、ベースが銅、これにクロムを重ねている。さらにこの上に蒸着処理を施しているそうだが、詳しくは秘密とのこと。表面が滑らかで傷に対しても強く、かつ冷たくならない。

機械では組み立てられないほど小型であるため、顕微鏡でのぞきながら精密に人間の手で組み立てる。スイスの腕時計のようだと形容。

検査に関してもかなり入念に行っている。

 ケーブルのシースはケブラー素材を使用。さらに柔らかい熱可塑性エラストマーを使用してタッチノイズを軽減している。耳かけ装着でも柔軟に取回せる点がウリだという。丈夫さにもこだわっており、ケーブルで4万回、プラグ部分では10万回の屈曲テストを実施。MMCXプラグは金メッキ処理を施した、最高品質のものとなるという。内部はシンプルな構造だが、テストや技術の重さはこだわりがあるという。

発売が決定したばかりのAK380用のポータブルアンプも展示されていた

こちらはポタ研で国内発表されたAK T1。ポタ研ではブラックだったが、シルバーバージョン

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