日本SGIは8月25日、最新のXeon v3プロセッサを搭載した共有メモリ型サーバーのハイエンド新製品「SGI UV 3000」、およびエントリー新製品「SGI UV 30」を発売した。同時に既存のミッドレンジ製品「SGI UV 300/30EX」にも同プロセッサを搭載して性能強化した新モデルを追加し、シリーズの製品ラインアップを強化する。
昨今、ビッグデータの活用が活発となっており、瞬く間に大量に生成されるデータをリアルタイムに解析・処理するインメモリコンピューティングへの期待が高まっている。SGIでは、64TBという広大なメモリ空間を最大限活用しながらも、シンプルなアプリ開発や運用を可能にする共有メモリ型システムの開発を進めてきた。今回のラインアップ強化により、科学技術計算分野から産業分野に至るまで、複雑な問題の解決やビッグデータ解析をサポートする高速・高性能な計算プラットフォームを提供するとしている。
SGI UV 3000は、既存のSGI UV 2000の上位となるハイエンドモデル。最大16コアのXeon E5-4600 v3をシングルシステムとして最大256ソケット搭載できる。新しいプロセッサにより、同時命令実行数はSGI UV 2000の2倍に。また、40%高速化されたDDR4 SDRAMを64TBまで搭載できるため、大規模で高速なインメモリシステムが構築できるという。
ノード間転送技術としてSGI独自の「NUMAlinkインターコネクト」を実装。ノードごとに搭載されたメモリを単一の巨大なメモリ空間として利用できる。計算集中型で高速なアルゴリズム処理が必要な科学シミュレーション、CAE(計算機支援工学)、CFD(数値流体力学)などに最適とのこと。
もう一方のSGI UV 30は、既存のSGI UV 20の後継となるエントリーモデル。高さ2Uのラックマウント型サーバーで、小規模なHPC用途や開発機として最適。Xeon® E5-4600 v3を最大4ソケット、共有メモリ(こちらもDDR4 SDRAM規格に対応)は従来比2倍の最大3TBまで搭載できる。
税抜価格は、SGI UV 3000が7428万6000円、SGI UV 30が460万9000円。
これら新製品に加えて、SGI UV 300と同 30EXでは、最大18コアのXeon E7-8800 v3を搭載した新モデルを追加する。
同 300では、従来モデル比で、シングルシステムとして搭載できる最大ソケット数が2倍の64ソケット、最大メモリ容量も24TBから64TBに引き上げられている。NUMAlinkインターコネクトにも対応し、ラック2台の構成で64TBの共有メモリまで搭載できるのは、ハイエンドモデルと同様だ。データ集中型でI/O負荷が大きいデータ解析、ビジュアライゼーション、リアルタイムストリーミングなどに最適とのこと。
SGI UV 30EXは、同 300の1シャーシモデルで、高さ5Uのラックマウントサーバーに、同プロセッサを最大4ソケット、共有メモリを最大6TB搭載できる。
税抜価格は、SGI UV 300が2493万8000円、SGI UV 30EXが1374万5000円。
今回の発表でSGI UVシリーズは計5機種展開となり、すべての機種がSUSE Linux EnterpriseまたはRed Hat Enterprise Linuxで稼働する。