VRHMDをかぶっても目の前が見える「パススルーカメラ」
西牧 でもまだ出たばかりなら、コンテンツがないんじゃないんでしょうかね。
広田 いいところに気づいたね。
西牧 ということは、まだあんまりない?
広田 いやいや。そりゃスマホアプリとかに比べると絶対数はまだ多くないけど、ガンガン増えてて面白くて体験してほしいものがイロイロあるわけです。繰り返しになるけど今のGear VRって、製品版じゃなくて開発キットなのよ。開発者向けの。
西牧 えっ、店頭で売ってるのに?
広田 売ってるのに。「こういうおもろい機材があるので、いまからソフトを開発して製品版が出るタイミングでリリースしてねー」というためのものなのよ。でも開発キットを店頭で売るってのは、かなり気合入っててスゴいと思うのよね。そういやハードとソフトで違うけど、アップルもその昔、Mac OS Xのパブリックベータを3500円で販売したことがあったなぁ……(遠い目)。
西牧 なんというか、ほかのウェアラブル機器と連動すると、面白い展開があるかもしれませんね。
広田 あー、スマートウォッチとか? サムスンでいえば同じ「Gear」シリーズで「Gear S」とか出してるので、腕の動きをとってVRコンテンツを操作できるというのもあるかもしれないね。まぁともかくつけてくださいよ。
西牧 つけます!
広田 やっぱ待った!
西牧 ちょ(笑)。話はもういいから見せてください。
広田 一応、動かし方も教えておかないといけないかなと思って。これがまたインターフェースが素晴らしいんです。何って、単体で完結してるので、ずっとかぶったまま操作できちゃう。
西牧 もういいから体験させてください(笑)。
広田 仕方ないなぁ……。初期化してあるので、まず最初にオープニングが流れてからガイドツアーの画面が出てくるかと思います。
広田 それから眉間の上あたりにあるダイヤルを左右に回してピントを調節して。
西牧 このダイヤル?
広田 そう。ダイヤルを回すと、Galaxyの端末が前後に移動してピントを調節できます。普段はメガネの人でも意外と裸眼でいけるので、体験会とかで感動する人も多いです。ただ、左右の視力が違ったりすると難しいけど……。
西牧 なんか合いました。
広田 そのあとに右側面の四角いタッチパッドをたたくと、クリックと同じように画面を進めていける。
西牧 おお。なんか出てきましたよ。
広田 さらに右側面のタッチパッドの上にある「戻る」ボタンを長押ししてみて。
西牧 はい。
広田 ごめん、今何が見えてる?
西牧 なんか丸いアイコンが並んでいますね。
広田 左から2番目のパススルーカメラを選んでオンにしてみて。
西牧 !? おおっ、すげー! 広田さんが見える!
広田 おおおっ! わかってくれたか! パススルーカメラがなにかというと、Galaxy S6 edgeの背面カメラで目の前を撮影して、それをGear VR内に表示する機能なのね。これがまた不思議な感覚なんだよね。
西牧 これ、目の前のモノが見えて普通に触れるわけじゃないですぁ。すごいな。
広田 素晴らしい反応だねー。しかも頭を振ったときの反応がすごくいい。
西牧 あ、ほんとだ。速い!
広田 なのでパススルーカメラはちょっと感動できる。
西牧 これつけて歩けますよね。危険だけど。
広田 危ないから普通はやらないけど、一応歩けるし、飯食ったりとかの日常生活もできちゃう。あと機械側でピント調節するので、10分ぐらいつけてると見たいところに焦点が合わなくて目が疲れて痛くなるので、短時間がオススメかな。
西牧 いやー、スゴい! しかしどんなシチュエーションで使うものなんでしょうか?
広田 ゲーム中、例えば目の前の飲み物を取ろうと思ったときに、いちいちGear VRをはずすのって面倒じゃないですか。そこでパススルーカメラを使うみたいな。もしかしたら将来のGalaxyで、背面に2つカメラがついて立体視でモノをみられるようになるかもしれないね。
(次ページでは、「つけたまま操作できる体制が整っている」)