レーザー照準器で狙ってトリガーを引く! ゴルゴ13も驚きのカンタンさ
使い方はカンタンで、調べたいものを狙ってトリガーを引くだけ。その瞬間温度が表示される。紹介してる製品で測れる温度帯は、-38〜365度までと幅広い。だいたい業務用の冷凍庫で冷凍したもの〜業務用のガスオーブン程度の温度まで測れるという感じだ。1000度以上あるコンロの火の温度は測れない。
レーザー照準器がついているので、ターゲットから離れていても狙いを付けやすい。もしターゲットにロックオンを悟られたくない場合は、レーザー照準器をOFFにすることも可能だ。
先にも少し説明した通り、対象物との距離がある場合は、測定範囲が大きくなる点に注意。たとえば60cm離れたものの温度を測る場合は、レーザーポインタで示された箇所を中心におよそ5cmの範囲の温度が測れる。しかし1.2m離れると測定範囲は10cm、4m離れると30cmまで広がる。また測定範囲の1点だけ温度高かった場合などは、平均温度になるようようだ。
対象物との距離(m) | 測定される直径(cm) |
---|---|
0.5 | 4.2 |
1 | 8.3 |
2 | 16.7 |
4 | 33.3 |
6 | 50.0 |
8 | 66.7 |
10 | 83.3 |
15 | 125.0 |
20 | 166.7 |
ターゲットとの距離が変わると、測定範囲が大きくなる独特のクセに迷うかもしれない。しかしテレビなどで、人の体温を色分けで表示するサーモカメラだと思えば、イメージしやすいだろう。この放射温度計は、テレビがついていないだけで、原理はサーモカメラと変わらないのだ。だからヨリで測れば小さい部分を、ヒキで測れば広い部分を測定できるというワケだ。
背面のLOCK切り替えボタンは、トリガを引いた1点の温度を測るモードと、トリガを引かなくても温度計を向けている場所を逐次測るモードになっている。たとえば床で一番熱くなっているところを調べたいときは、逐次測るモードにすれば、温度計を床全体に振るだけで一番熱い部分と冷たい部分を調べられる。なお最高温度は、自動的にメモリーされるようになっている。
MODEボタンは、普段あまり使うことはないが、金属の温度を調べる場合などに利用する。ピカピカの金属やツルツルの大理石など、表面がツルツル・ピカピカのものを測る場合はMODEボタンを押して、放射率という値を変更する。とはいってもツルツル用の0.7と普段利用する0.95の切り替えのみだけなのでカンタンだ。
放射温度計があるとバラ色の温度計人生が満喫できる!
使い方が分かったところで、放射温度計にしかできないことを紹介しよう。
・揚げ物の油の温度
たいていのレシピでは180度の油で揚げるとあるものの、たまに低めの170度なんて場合もある。こんなときはこの温度計でピ! と測ればカンタンに調整できる。「揚げ物用温度計」なるものもスーパーで売っているのだが、反応が遅い上になべ底に触れちゃダメなど結構面倒臭く使いづらいことこの上ないのだ。
とくに便利なのが冷凍食品をフライにするとき。冷凍ものを入れると油の温度が急激に下がるので、一時的に火を強くする必要がある。放射温度計なら、油の温度を見ながら火の調整ができるので、安定した油の温度に調整できる。
・ホットプレートの温度
温度調整のダイヤルは付いているものの、温度はいい加減(笑)。だからワンランク上の焼きそばやたこ焼きを目指すなら、この温度計で調べて火加減の調整しよう。
またホットプレートは、温度にムラがあるのでよく焼けるとこと、焼きあがったものを退避しておく箇所の温度を調べたり、領域を調べるのに便利だ。
・赤ちゃんやペットのお風呂の温度
温度に敏感な赤ちゃんやペットのお風呂やミルクの温度を測るのにピッタリ。トリガーを引けば一瞬で温度が分かるので、水でうめすぎたりなんてことがなくなる。
この放射温度計、一瞬にして温度が測れるので持ち歩くといろんな温度が測りたくなる欲望に駆られるのも特長だ。ちょっとウチの周りで調べてみたのがコイツら。
・アスファルト
・マンホール
・熱くて触れないハンドルとダッシュボード
・ドアノブも結構あつい
(次ページ「気温は測れないけど、気温っぽい温度は測れる」へ続く)