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産学連携授業「電子商取引」、なぜ人材教育が必要なのか(2)

2015年07月28日 03時19分更新

記事提供:WPJ

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競合分析で売上が15倍に

――4月には「競合サイト分析サービス」を開始しました。
長山 競合会社の分析は、事業者の課題の1つで、これまでコンサルしてきた経験からニーズが高いと感じていました。ネットショップの運営は、担当者が2人から3人で回しているパターンが多く、他社の市場分析まで手が回らず、市場を俯瞰的に見ることができていない傾向があります。「これがうちの売れ筋商品です」と言って、自信を持って商品説明をしてくれても、実は似ている商品やサービスなどがいくつかあって、その競合商品のことをわかっていないケースがよくあります。
純粋にその商品に自信があるのはいいのですが、他社のことを知らなくてはマーケティングができない。コンサルではマーケティングの初歩から説明することもあり、競合分析の部分をサービス化しました。

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――競合分析はどのような手法で行うのですか?
長山 分析サービスでは、マーケティングツールを使用しています。分析ツールにはある部分が雑になったり、別の部分は精度が高かったり、ツールによって特長があります。92項目にわたる分析指標を掛け合わせ、10個ほどの分析ツールを使って、複合的に行っています。ベースになっているのは、やはり運営代行で得たノウハウです。

――競合分析によって成功した事例を教えてください
長山 競合分析から戦略化までをコンサルし、売上が2年で15倍になった事例を紹介します。おせち専門のEC事業を行っていたお惣菜のメーカーは「うちのはおいしいから」と自社商品にかなり自信を持っていました。ただ、おいしいのは前提条件で、どう差別化を図るかが重要。競合を分析して消費者のニーズを把握し、販売戦略を立てて展開したところ、年間1000万円だったEC事業の売上が、2年後に1億5000万円になりました。

ネット通販は甘くないビジネス

――(株)催事市場を4月にグループしました。この意図をお聞かせください
長山 EC事業者にデパートや駅ナカの催事スペースを提供するサービスは、オムニチャネルが注目され始めたころに構想が出ていました。楽天などがデパートで催事を開催しているのを見て、駅ナカは相関性がいいと感じていました。コンサルなどで事業者の相談を受けていると、経営コンサルのようになることもあります。ある事業者からネットショップの相談を受けたのですが、その会社のフェーズを考えると「実店舗でも商品を展開した方がいい」という判断になったことがありました。しかし、その時に販売チャネルを持っていなかった。リアル店舗で商品を展開するため、デパート・百貨店・駅ナカなどに販売スペースのインフラを持つ催事市場と提携しました。

――サービス開始後の反響はいかがですか?
長山 反響はいいですね。ある流通大手の会社は、自社の店舗で自社ブランドのパンを販売していました。ECが弱いことから相談を受け、ブランド名を変えた別商品を催事で展開したところ、売れ行きも好調でした。
食品は賞味期限があり、製造過多になってしまった時に商品をさばく販路があると便利。既存のクライアントにも喜んでもらっています。商品のテストマーケティングにも利用できます。
また、催事の現場は人材教育にも適しています。売り場の販売員は接客のイロハがわかっている人たち。ネットショップ運営にもマッチします。業界未経験でも、販売員にネットショップの教育をすると、成長が早い。人材教育の一環として、運営代行の担当者には、催事の現場で販売の仕方を学んでもらっています。

――今後の展望をお聞かせください。
長山 社名の通り、研究をしていきたいと思っています。これまでいくつかのフレームワークをクライアント限定で公表してきました。今後はこれらをオープンしていきたい。ネットショップのノウハウはすぐに陳腐化してしまいがちですが、いたちごっこになると覚悟の上で研究結果をまとめ、さまざまなサービスに活用していきたいと思っています。根底にあるのは「事業者の困りごとを減らしたい」という純粋な気持ち。私どもは医師の立場と似ています。身体の具合が悪い人の病気を突き止め、薬や手術などをして治療するのが医師。我々は「ネットショップの運営がうまくいかない」「売上が伸びない」といった相談を受け、さまざまな指標から原因を分析し、新たな戦略や改善策を処方しています。
ネット通販業界は昔と比較して参入しやすくなりましたが、売れないと参入する意味がない。甘くはないビジネスなのです。

(つづく)

(文・構成:山本剛資)

産学連携授業「電子商取引」、なぜ人材教育が必要なのか(1)

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長山衛社長

■長山 衛(ながやま まもる)
(株)ネットショップ総研 代表取締役社長
「ネットショップマスター認定講座」のカリキュラム監修を担当。経済産業省後援事業「ドリームゲート」の認定専門家。著書に「食品ネットショップ『10』売るための教科書」(日本実業出版)がある。食品会社のEC担当を経て、2008年10月に起業。得意分野は食品ECで、デザインから広報、コンサルなど、さまざまな業務に精通する。楽天市場などで受賞歴多数。
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