月額サービスを最大限に活かす豊富なレコメンド機能
音楽ストリーミング以外の主なコンテンツとしては、新たに導入されたレコメンド機能、インターネットラジオ「Apple Music Radio」、およびアーティストと繋がるプラットフォーム「Apple Music Connect」などが挙げられる。
レコメンド機能を使えば、好みのジャンルやアーティストを入力することでユーザーに向けたプレイリストが作成されたり、著名なミュージシャンやプロのキュレーターが作成したオススメ曲のプレイリストを閲覧、視聴できる。さまざまなジャンルの音楽に触れたいユーザーにとっては非常に魅力的で、こうした機能を活用できるのは、月額制ストリーミングサービスの最大の利点とも言えるだろう。
「Apple Music Radio」は、その名の通りAppleが展開するラジオサービス。Apple Music内のコンテンツではあるが、契約していないユーザーも一部無料で利用できるのが特徴だ。目玉となる「Beats 1」局は、ニューヨーク・ロサンゼルス・ロンドンの3拠点を持ち、24時間放送を実現している。J-POPや洋楽ヒットチャートなどを流す局も用意されているため、ストリーミングに飽きたらこちらを利用してみるのもいいだろう。
Apple Music Connectは、人気アーティストの情報やMV、アーティストが投稿したパーソナルメッセージなどを閲覧できるプラットフォーム。こちらも無料だが、サービス自体が「アーティストと直接繋がる」ことを売りにしているものの、現状は積極的に利用するアーティストも少なく、やや手探り感が拭えない様子だ。あくまでオマケ程度に考えておくといいだろう。
日本での普及は
競合と比較しても圧倒的な楽曲数、豊富なレコメンド機能、ヒットチャートも網羅できるラジオサービスなど、アップルが満を持して送り出したApple Musicは魅力的なストリーミングサービスだ。音質も十分で、国・ジャンルにこだわらず大量の音楽を聴きたいユーザーにとって、これほどありがたいサービスはないと言っていいのではないだろうか。
ただし、邦楽をメインで聴くような日本のユーザーを考えた場合、ややプッシュが弱いことも事実だろう。すでに多く言われていることだが、3000万曲以上の楽曲リストを誇るApple Musicとはいえ、邦楽のラインアップはあまり充実していない。AKB48など国内人気アーティストの楽曲も登録されていないわけではないが、実際は数曲がぽつんとリストに載っているだけだったり、とにかく絶対数が少ないと感じる。ラジオサービスの目玉であるBeats 1が英語のみの配信だったり、「Apple Musicを存分に楽しめていない」と感じるユーザーも少なからずいると思われる。
こと邦楽のラインアップに関しては、今年に入って日本で開始されたストリーミングサービス「AWA」「LINE ミュージック」(どちらも登録楽曲は2015年内に500万曲)「d ミュージック」(約100万曲)などに軍配が上がるため、現状では邦楽重視の国内ユーザーはそうしたサービスに流れるだろう。こと日本ユーザーの取り込みを考えるなら、邦楽の充実も含め、日本向けのローカルなサービスが必要になるかもしれない。
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