ネットTVと組まないと若者のTV離れはもっと進む
「Netflixにコンテンツを提供することで、若者がもっと地上波を見なくなる可能性というのは、確かにあります」。フジテレビ常務取締役 大田亮氏はこう言う。
「でも、PCやスマートフォン、タブレットを使った映像の視聴というスタイルはもう根付いていて、これからもっと幅が広がる。テレビ局は、放送局であると同時に制作局。まずはテレビ局の作ったコンテンツに触れてもらうことが重要だと思います。
私の意見ですが、ネットTVと組まないと、地上波離れはもっと加速すると思っています。テレビ局の作ったコンテンツにネットTVを通して触れた人がまた地上波に戻ってきてくれれば理想ですが、今回Netflixと組んだことは前向きな判断です」
今秋の国内サービス開始が明かされているNetflixだが、それに先がけて6月17日、フジテレビジョン(以下フジテレビ)が人気番組「テラスハウス」の新作「TERRACE HOUSE NEW SEASON COMING(仮)」および連続ドラマ「アンダーウェア」を制作し、Netflixを通して配信することを発表した。
日本国内だけでなく、Netflixのサービス対応地域全域に向け配信する予定で、視聴時には全世界で「Fuji Television presents」のクレジットが表示されるとのこと。いずれの番組もNetflixでの独占配信後、地上派で放送し、フジテレビオンデマンドで配信する。
Netflix「フジテレビのコンテンツ魅力的」
フジテレビは今回の取り組みについて「地上派放送、BS放送、CS放送、インターネットという4メディア『4M』を駆使した戦略的なコンテンツ展開を同コンテンツでも行う予定」としており、今後もオリジナルコンテンツをNetflixを通じて配信していく計画があるという。
都内で実施された記者会見には、Netflixの代表取締役社長 グレッグ・ピーターズ氏も登壇。「お金を払ってまでテレビを見たくないという人もいるかもしれないが、反対に、興味を持ってくれる人もいるかもしれない。人は、魅力的なコンテンツにはお金を払うと思っている。フジテレビのコンテンツは魅力的で、テレビ局としてのこれからの可能性も感じるし、たとえば、『テラスハウス』にたくさんのファンがいる。今回の取り組みはネットテレビを知ってもらうチャンスになる」とコメントした。
Netflixの国内サービス開始時期について、すでに明かされている「今秋」以上の情報発表はなかったため、配信開始時期は現時点で不明。