毎週、米国時間の朝にこの原稿を書いて1週間が始まります。
米国では、5月末のメモリアルデーの祝日から夏が始まると言われていますが、6月の初日の朝は珍しく雨模様でした。この雨も午前中にはやんで、キレイに晴れ渡った、夏らしい青空になりました。
先週末に開催されたGoogleの開発者イベント「Google I/O 2015」の基調講演は、派手さに欠けるという評価もありますが、Googleが近年取り組んできたことを一気に見せつけられたようで、筆者は衝撃を受けました。
「機械学習」もしくは「ディープラーニング」と呼ばれる、同社が最大限に投資してきた成果を、今すぐ利用することができ、しかもさらに賢くなり続けるからです。
悩ましいスマホ時代の写真のバックアップ
今回の発表でより多くの人の興味をさらったのは、クロスプラットホームで利用できるという点で、Googleフォトだったのではないでしょうか。
1600万画素までの写真、もしくは1080pまでの動画なら、無料で無制限に保存することができる、スマホ時代の写真管理の決定版ともいうべきサービスになりました。
筆者は手元のHDDでの写真管理を、少しあきらめ気味という姿勢です。米国と日本を行き来する機会があると、過去の写真が必要になったときの自由に写真を見つけられないという不便さを、何度か味わってきました。
スマホでの撮影機会が増え、枚数が圧倒的に増加し、またスマホからも写真を利用したい。筆者が経験する不便さは、スマホでも発生している問題なのです。
もちろんオリジナルのデータを保存することは必要ですが、それ以外にオンラインでの管理も必要です。特に、プレゼンテーションやウェブの記事を書くために利用する写真ということもあり、フル解像度までは必要ないという事情もありました。
実は昨今、写真バックアップのサービスは充実しつつあります。たとえば老舗とも言える写真共有サービスFlickr。10年近く使ってきましたが、ここにきて大幅な機能リニューアルが行なわれ、前回の刷新時に導入された無料で1TBという大容量を武器に、とりあえずパソコンに差し込んだSDカードなどに新しい写真が見つかれば、片っ端からアップロードするというアプリが登場しました。
その上で、Flickr上の「カメラロール」と呼ばれる新しい画面に写真が並び、時系列、色などで自分の写真をすぐに見つけ出すことができる仕組みを試し始めています。バックアップと活用に向けて、大きな一歩を「やっと」踏み出してくれた、という印象を受けます。
また、iCloudフォトライブラリは、iOSデバイスとMacの写真をクラウドで一元管理し、いつでも利用できるようにしてくれる仕組みです。
有料ですが、端末内には小さいファイルサイズの写真、クラウドにフル解像度という調整をしてくれて、例えばiPhoneの空き容量を過去の写真が圧迫し続けるという事態を回避できます。
Googleフォトは写真保存の悩みをほぼ解決してくれる
そして、今回のGoogleフォトです。
これまで、Googleのクラウド写真管理機能を使うためにGoogle+を使ってきましたが、今回の発表でGoogle+から切り離され、独立したアプリとして利用できます。AndroidもしくはiPhoneにインストールすると、スマートフォンのカメラロールの写真をGoogleフォトにアップロードし始めてくれます。
例えば800万画素や1200万画素のスマートフォンで撮影した写真やビデオは、フル解像度で保存してくれるため、古いものは本体から消してしまっても問題なくなります。アプリは時系列で写真を素早く見つけ出すことができ、他のクラウド写真アプリと比較しても非常に快適です。
筆者の場合、iCloudフォトライブラリを利用しているため、Macに取り込んだ写真もiPhoneに同期され、Googleフォトアプリを通じてクラウドに保存されます。一度保存されれば、iCloudフォトライブラリから削除してもよくなります。
Macの「写真」アプリに新たに読み込まれた写真をFLickrに自動的にアップロードする設定を仕掛けておき、こまめにライブラリを整理(写真を削除)すれば、iCloudの追加容量、20GBでも十分かもしれませんね。
もう1点、AndroidやiOSで、他のアプリからGoogleフォトの写真を呼び出して使う、というオンラインフォトライブラリとしての連携が拡がると、「10年前の写真をInstagramで使いたい」というニーズに応えられるようになるかもしれません。
(次ページでは、「写真の自動分類の威力」)
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