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SEO施策・要件を検討するときに意識すべき3つの基準

2015年05月28日 21時01分更新

記事提供:SEMリサーチ

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5月はSEO の研修・教育月間だったこともあり、しばらく不定期で SEO 初心者向けのコラムを掲載します。

「何がSEO的に良い施策?」を考えるときの悩み

Webサイトの制作・構築・運営をしながら SEO 施策も同時に展開していくとき、「タイトルタグに注力すべきキーワードはいくつ、どのように入れたらいいのだろう?」といった大昔からの定番質問から、「主コンテンツの右コラムに表示する他のお勧めコンテンツは、どの程度載せておくことが SEO 的に良いの?」あるいは「通販サイトで商品個別ページにクチコミ(レビュー)を掲載するつもりなのですが、SEO 的には1ページあたりいくつのレビューがあればベストなんですか?」といった質問まで、SEO を意識すればするほど「これって SEO 的に何がいいんだろう」という疑問が次々と涌いてくることがあると思います。特に SEO の初心者段階においては、意識しすぎて収拾がつかなくなることもあるのではないでしょうか。

本コラムでは、個々の施策を SEO を考慮して(=SEO要件を満たしつつ)意志決定する時に、私が昔から利用しているフレームワークについて紹介したいと思います。以下の内容は「検索エンジンのガイドラインに違反しない(=スパム行為ではない」「倫理的にも問題がない」など、大前提の判断が済んだうえでの施策の判断基準です。その前提がまだ理解できていないという方は、まずそちらの内容を把握することが先です。


ユーザー視点か、検索エンジン視点か、それとも両者のバランスか

結局のところ、サイトのビジネス要件やデザイン、ユーザビリティなど様々な観点を考慮して「ケースバイケース」つまり正解はないことは間違いないのですが、次に紹介する3つの基準のいずれかで判断することには変わりありません。

  1. ユーザーにとって良いことを選択
  2. ユーザーと検索エンジン(SEO)の両者に配慮する
  3. 検索エンジン(SEO)にとって良いことを選択

「検索エンジンフレンドリー」(検索エンジンにやさしいサイト作り)という言葉が示す通り、SEO はユーザー(人間)と検索エンジン(ソフトウェア)の両者に情報を伝達するためのサイト構築技術でもあります。したがって上記の 2. の基準が基本的に用いられることが多いのですが、施策内容によって、完全にユーザー目線で考えればよいもの(1つ目)、検索エンジンへの最適化視点で考えれば良いもの(3つ目)もあります。

きっと SEO を3つ目の検索エンジン対策やそのテクニックであるととらえている方も多いと思います。SEO = スパム的にとらえている方は 3. のことを SEO だと理解しているからではないでしょうか。確かに1990年代後半は 3. の傾向が強かったのですが、現在は必ずしもそうではありません。

Google の PageRank が広く知られるようになり、SEO のアプローチが大きく変化した 2000年前後以後から15年が経過した現在に至るまで、SEO 要件を満たした施策を考えるうえでの判断基準は上記3つで何も変わりません。SEO の本質は昔も今も何も変わっていないと私が指摘する所以の1つでもあります。


ユーザー第一に考えればSEO的にも良い施策は増えたけれど…

本質は変わっていないとはいえ、それぞれの基準を採用する割合や頻度はこの15年で大きく変わりまし。たとえば2003年当時を思い出すと、検索エンジンとユーザーの両方に配慮して決めることが大原則とはいえ、3番目の対検索エンジンを意識した特別な施策も比較的多かった一方、1つ目の純粋なユーザー視点で~というのは相対的に少なかったと記憶しています。2015年現在は、逆に3番目の検索エンジン基準で考える割合が相対的に低下し、1番目の「純粋にユーザーに良いことをすれば SEO にも良い(だからユーザーのことだけ考えたベストな施策をせよ)」という基準で考えれば簡単に片付く課題が増えてきました。

こうした変化が生まれた背景には、Google のランキングアルゴリズムの進化にあります。Google はアルゴリズムを使って、インターネット上の1つ1つのWebページの重要度を機械的に計算したいわけですが(それが完璧ならば、検索クエリと検索結果の関連性も最大限に高められるはず)、以前は「ユーザーに価値を提供しているサイト」を示すシグナルを十二分に選択し、取り出し、評価する仕組みがありませんでした。だから、ユーザーに人気のサイトにもかかわらず自然検索結果にはサッパリ表示されないサイトも数多くありました(そして SEO にも注目が集まった)。しかし2015年現在、Google は重要性が高く、価値のあるユーザーに人気あるサイトを識別するためのシグナルを上手に取り出して評価できるようになってきたため、純粋にユーザーにとって価値のあることを行えば直接的・間接的に検索エンジンに評価され、自然検索順位の改善につながるようなことも増えてきました。つまり、2015年現在は単純にユーザーにとって良いことの選択を積み重ねていけば、巡り巡って自然検索順位を上昇させるという SEO で実現したかった目的の1つが達成しやすい時代になってきたといえます。

とはいえ、本当にユーザーのことだけ考えていれば SEO のことなど知らなくてよいかというと、そうはいかないんですね。Google は確かに進化してきたけれど、完全ではないからです。そのギャップを埋めてあげるために検索エンジンにやさしいサイト構築・運用技術は必要であり、人間とソフトウェアの両者に配慮するという基準は現在も非常に重要なのです。

次に、紹介した3つの基準を用いた考え方に、例を挙げて説明をします。


ユーザーにとって良いことを選択

検索エンジンのことなど意識せずに、純粋にユーザーにとって有益なこと、価値のあること、利便性の高いことを実施すれば、(特別に意識せずとも)自然に SEO の要件を満たすことができる施策というのは山ほどあります。

たとえば「SEO に良いコンテンツとは何ですか?」「Google に評価されるコンテンツとは何ですか?」といった質問は最近の定番です。そのコンテンツを閲覧・消費するのはユーザー(人間)ですから、ユーザーにとって良いものは何かを突き詰めていけばいいお話であり、ここでテクニカルに Google が好む話題とは何か、検索エンジンが評価する話題の展開方法は何かを検討することはナンセンスです※1。

Google はウェブの世界からユーザーからの評価が高いコンテンツを識別するためのシグナルを取り出して品質推定をしているのですから、ユーザーにとって良いものを考えていけば、その姿勢自体が Google (=SEO) が求める要件を満たしているのです。つまり、純粋にユーザーのほうを見て検討すればよい施策です。

※1 ちなみに、Google が好むコンテンツを突き詰めていくと結局、ユーザーにとって価値ある情報とは何か?というスタート地点に戻ってきます。その意味でも検索エンジンのための~という発想自体が、SEO を業務とするみなさんにとっては意味がないのです

コラム前半で挙げた1ページあたりに掲載すべき口コミの数量も同じで、ユーザーがその商品を判断する、購買意思決定をする上で十分な量の口コミが掲載されていればいい話でしかありません。1ページ当たり〇〇件の口コミが掲載されているページは上位に表示されやすいなどという法則があるならまだしも、そんなものは存在しません。数量は問題でないことは、皆さん自身が現実世界でたとえば飲食店の口コミサイトを見ていて数量だけで判断しないことと同じです。通販サイトの商品一覧ページで1ページあたり何件表示すべきかも、商品を探すユーザーにとって適当な数が表示されていればよい話にすぎません※2。

※2 「数量系の話において SEO の正解はない」と覚えておくとこの手の問題は簡単に片づけられる

SEO の施策には、「ユーザーのことを考えて実施すれば自ずとSEOの要件が満たせる事柄」と「検索エンジンの存在を意識して特別な要件を整えてあげる事柄」の2つしかありません。そして後者は、純粋な検索エンジンのための施策と、ユーザーにも配慮した施策の2つに分岐されます。

今日の SEO には、「ユーザーのことを考えていれば自然と SEO 要件が満たせる要素が増えている」ということは理解しておいてください。


ユーザーと検索エンジン(SEO)の両者に配慮する

検索エンジンというアルゴリズムで Webサイトの価値を判断するソフトウェアの存在があるからこそ SEO という施策に取り組む以上、検索エンジンを意識した施策は当然ながら、あります。すべての事柄をユーザーファーストで実施すれば SEO などという概念すら不要などという世界はあと何十年かしたら来るかもしれませんが、2015年現在の現実を見てて、検索エンジンへの配慮は必要です。ただ、すべてを検索エンジンのために実施すると人間にとって使いづらい、不便、意味不明なことが往々にして発生するため、両者への配慮が必要です。

SEO という言葉が生まれた2000年前後から現在に至るまで、「両者の存在に配慮してバランスの良い施策を選ぶ」ことは普遍です。

検索クエリの文字列がウェブページに1つも入っていなければ関連性の判断のしようがない(最近はハミングバードにより言い換え・類義語・同義語も適切に判断されるようになったとはいえ完全一致させるに越したことはない)のでキーワードとして文章等で利用する必要があるとはいえ、無理に繰り返し使う必要もないので、ユーザーにとって読みやすい文章を(検索クエリを適度に考慮しつつ)作成するというのは、両者のバランスを適度に考慮すればよいことの1つです。

あるいは、アイテム(商品数や情報数)が数十万規模に及び、それらを首尾よくクローリングさせたい場合に、単純にリンクを羅列してしまえばユーザーには意味のないリンク一覧がつきつけられることになるため、ページネーション(ページ送り)のリンクを作成するときに、単に「次のページ」や「1.2.3.4.5.(略)10」と並べるだけでなく、適度にスキップ(10.50.100)などのリンクを設ける施策も、様々な情報を見比べているユーザーにランダムリンクを提供する側面と、クローラにより深くの情報へアクセスさせる側面の両方を考慮した結果でもあります。


検索エンジン(SEO)にとって良いことを選択

XMLサイトマップページや構造化データ、canonicalhref=lang などは検索エンジンに情報を適切に処理してもらうための、検索エンジンのための提案・指示・命令として代表的でありわかりやすい例でしょう。また、SEO の施策レベルでも、特に超大規模サイト(数億以上の情報/ページを扱っているようなケース)や UGC(User Generated Content)型のサイトの SEO は、一般的な Webサイトと比較すると検索エンジン対策を意識したチューニングの比率は高まります。

問題は、この3つ目の基準の比率の重要度は、みなさんが担当しているサイトの性格により異なることです。サイトによってテクニカルなアプローチを試行錯誤することが重要なこともあれば、それほど重要ではないサイトもあります。最近の検索アルゴリズムの特性や傾向をできる限り理解してそれを踏まえて調整を継続的に行っていく必要があるサイトもあれば、その要素が不要なサイトもあります。

私は Twitter で時折「最近のランキングアルゴリズムは細かいところ追っても意味なくね?」的な趣旨の発言をすることがありますが、世の中一般のウェブマスターの大多数にとっては不要だろうと考えているからです。実際にはそれの理解が必要な方たちがいるのですが、その方々は私のツイートに対して「でも自分は例外なんだ」という認識が持てる(=つまりSEOのスキルが相応に高い)人が多いに違いないからです(ですよね?SEOの神様)。

つまり、Google が品質評価に踏み込んできたおかげで、ユーザー基準またはユーザーと検索エンジンのバランス考慮の組み合わせで SEO を推進していくことで目的を達成することが可能なウェブマスターは増えてきた、SEO はテクニック偏重の時代ではなくなったんだという意識を持って頂きたいと思います。同時に、一部の超大規模なサイトや特殊なサイトでは検索アルゴリズムをある程度は理解して施策として取り込んでいく必要もあることも認識していただければと思います。


施策ごとの、判断基準の選択の方法は?

この判断するための三つの基準を活用できるようにするためには、前提として、”自分がいま直面している施策はどの基準に照らし合わせればよいのか”が的確に判断できる必要があります。

実はこれが難しいのですが、ポイントは「常に自分で合理的な理由を考える習慣をつける」ことでしょうか。次回のコラムで触れたいと思いますが、とりあえず「なんでも Google に質問して、答えを得て満足」なタイプの人には無理、とだけお伝えします。

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