コードアカデミー高校が誕生したタイミング
コードアカデミー高校は2013年4月から準備を始めました。
テクノロジーによって人の仕事がだんだん減っていくこの時代、プログラミング、あるいはプログラマーは当面絶対に不要にならない知識であり、仕事という考えから、次世代の教育を作ろうというアイディアが1つ。
そして、現在そうしたプログラマー、エンジニアに最も近い学生たちが、受験科目に含まれていないという理由だけで、なかなか学校で勉強できなかったり、活躍できない現状を変えることを目的にしています。柔らかい言葉で言えば、「ギークが活き活きと過ごせる学校」です。
2014年の開校は、コードアカデミーはさまざまなタイミングに恵まれていたなとふりかえることができます。
たとえば初年度は非常に原始的で簡素なプログラミング言語「Sunaba」を学びますが、2014年6月のWWDC14で新しい開発言語Swiftが登場したり、IoTやロボットなどが本格的に普及していったり。
社会の環境も、プログラマー、エンジニアが活躍しやすくなってきています。だとすれば、一般の教科を修める学校が変化しなくて良い、という訳にはいかなくなってきます。
たとえ、プログラマーにならなくても
共通言語を持つリーダーに
今後はテクノロジーやプログラミングで他の教科を学ぶ、というアイディアをどんどん取り入れて、学び方をハックしてほしいと思っています。Instagramやフォントで学ぶ美術は実際に教科書の単元と照らし合わせて盛り込んでいきますし、Ingressは様々な強化の単元にフィットしそうですよね。
そうしたところで出てきたPepper。
まずは夏のスクーリングで、生徒みんなでPepperにいろいろなことをさせるロボアプリを作る授業を実施したいと考えています。ロボット1台を囲んで、プログラミングの知識で語り合う様子は、普通科通信制高校として、あるいはあらゆる学校の未来の姿になるのではないか、と期待しています。
テクノロジーは、一昔前苦労してもできなかったことを、いとも簡単に実現することができるようにしてくれます。最新のモノに出会ったとき、自分で学び取って活用できればと願っています。
もしも将来エンジニアにならないとしても、テクノロジーの共通言語を持ち合わせ、コミュニティーに貢献しながら交流が取れるリーダーとなることを期待しています。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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