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新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(3)

2015年03月11日 08時43分更新

記事提供:通販通信

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継続率・客単価向上の施策を紹介

【継続率向上CASE4】継続中止のタイミングでプレゼント
健康食品メーカーD社の会員は、3回目と6回目に継続を中止する人が多かった。そこで継続をやめるタイミングを予測し、4回目と8回目の定期購入時に景品をプレゼントした。また、同時にクレジット支払を200円割引にする「クレジット割引」を実施。クレジット引き落としが6割に増加したほか、平均継続回数も増加した。

【継続率向上CASE5】異業種参入のメリットを生かす
健康食品や化粧品通販には、異業種からの参入組も多い。そうした企業は、継続率を向上させるために、通販ルートで販売していない本業の商品をプレゼントし、定期購入に結び付けている。大手菓子メーカーはオリジナルパッケージのお菓子セット、生活用品メーカーは店舗で販売していない石けんや歯ブラシなどのプレミアムな商品をプレゼントしている。通販ルートで販売していない商品を、プレゼントとして通販に活用する事例も増えている。

【継続率向上CASE6】まとめ購入で習慣化
ある健康食品メーカーF社の事例。クレジットカードを持たない人など、何らかの理由でクレジット引き落としを選択しない人たちに向けた施策。F社は定期コースを「2カ月に1回で2個」「3カ月に1回で3個」と2種類に分けている。
クレジットでの支払ができない場合、コンビニで毎月支払うのは面倒で、毎月振込用紙を送ると毎月解約のきっかけを作ってしまう。支払回数をまとめて一度に多くの商品を送った方が習慣になりやすい。F社の顧客には仲間うちとともに、数十個単位で共同購入している例もあるという。こうなると定期購入を離脱しにくい状況を作り出せる。

【客単価率向上CASE7】宝くじキャンペーンで客単価を向上
ある化粧品会社G社は、「宝くじキャンペーン」を年2回、6月と12月に実施している。同キャンペーンでは、商品購入額が1万円で1枚、2万円以上で3枚と、購入額に応じた枚数の宝くじがもらえる。
このキャンペーンによって「もう少し買えば宝くじがもらえる」という心理が働き、買い足しにつながって客単価が向上した。実際にキャンペーンでもらった宝くじが当選した顧客も存在し、G社に「当選して北海道旅行に行った」と連絡があったという。

(つづく)
(取材・文:山本 剛資)

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■プロフィール
(株)通販総研 代表取締役 辻口勝也
健康食品、食品、化粧品、飲食業界を中心とした通信販売企業のコンサルティングを手掛ける。販売データ分析から把握できる数字による指標や、現場社員からの意見・アイデアを重視し、実地に沿ったコンサルティングに定評がある。

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【連載コラム】
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(1)
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(2)

【過去連載コラム】
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>①通販事業の成否を握る経営者の本気度
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>②通販ビジネスの構造を理解する
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>③通販ビジネスを始めるにあたって(1)
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>④通販ビジネスを始めるにあたって(2)
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>⑤何よりも継続することを第一に

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