3月5日、テラデータはプライベートイベント「TERADATA UNIVERSE」の開催に合わせ、2015年度の事業説明会を開催した。ビジネス面での価値を得るのに時間がかかるビッグデータの利用を支援するため、製品やサービス面で強化を進める。
あらゆるデータを扱える統合プラットフォームの強み
テラデータはデータ分析とマーケティング分野のソフトウェアを展開しており、長らくデータ分野にフォーカスしてきたベンダー。従業員数1万1500人におよぶ巨大企業で、77カ国に事業を展開。グローバルの顧客は金融、通信、小売、製造など2600社に及ぶ。米テラデータのハーマン・ウィマー氏は、「創業以来、データ専業でやってきた。明確なフォーカスがあり、戦略はずっと変えていない」とアピールする。
同社の戦略の中心は、「あらゆるデータのあらゆる分析を実現するエコシステム」だ。統合型のデータウェアハウス(DWH)や統合ディスカバリ、Hadoop向けのポートフォリオ、リアルタイム処理エンジンなどを1つのプラットフォームに統合。オンプレミスだけではなく、クラウドでの展開も進めている。
「昔は1つのデータを1つのデータベースに入れておけば済んだ。しかし、今はさまざまな種類のデータが存在しており、収納する場所が異なる。データを適切な形で、適切な場所で扱う必要がある」(ウィマー氏)ということで、同社ではデータの入口から利用までをカバーした「Teradata Unified Data Architecture」というエコシステムを構成している。
ビッグデータの価値をスピーディに得るために
続いて登壇したスコット・ナウ氏はビジネスユーザーやデータ分析者向けに異なるデータソースを透過的に扱える「Teradata QueryGrid」を紹介した。これは同社のSQL DBである「Aster Database」はもちろん、複数のTeradataシステム、Hadoop、MongoDBのようなNoSQLなどからデータを取り込み、SAS、Perl、Ruby、Python、Rなどのコンピュータークラスターで検索・分析を実行できる。
また、発表されたばかりのビッグデータアプリ「Teradata Aster AppCenter」は、ユーザーが分析の価値を得られる時間を短縮するため、分析ロジックやデータロジック、可視化機能、ユーザーインターフェイスなどがあらかじめ構築されたテンプレートを用意しているという。
日本テラデータ代表取締役社長の吉川幸彦氏は、ビッグデータを金の鉱脈に例え、「実際に掘り出しても、思いのほか金の含有量が低いこともある。スピーディに金を掘り出すため、仮説検証のスピードを上げるのがビッグデータ成功の鍵になっている」と指摘。これを実現するため、日本テラデータでは、単に製品の提供だけではなく、ビジネスの知見や分析能力に長けたコンサルタント、データの処理や管理を実現するプロフェッショナルサービスやビッグデータラボなどを設立などを手がけているという。