調査会社の英Canalysは2月3日、2014年第4四半期(10~12月期)のインド・スマートフォン市場の調査結果を発表した。出荷台数ベースで世界第3位のインド市場を征したのは地元のMicromax、これまでトップシェアだったSamsungは2位となった。
インドのスマートフォン市場は2014Q4に前年同期比90%増の2160万台を出荷した。ベンダーシェアは首位がMicromaxで22%。これまで1位だったSamsungはシェア20%で2位となっている。
Micromaxは2000年創業のメーカーで、スマートフォンだけでなく携帯電話やファブレットなどのモバイル端末、テレビなども製造する。Canalysの分析によると、フィーチャーフォンからスマートフォンへのアップデート需要、低価格帯を狙った製品戦略が奏功したとのこと。
Micromaxがインド市場でトップとなるのは、2014Q4が初めてとなる。売れ筋の「Canvas Nitro」「Canvas Hue」など、Androidベースの150~200ドル(9000~1万2000ルピー)の製品を投入しており、これが消費者に訴求したと分析している。
たとえば今年1月にローンチした「Canvas Hue」は720×1280ドットの5型有機ELに、1.3GHzのクアッドコアプロセッサ、HD動画撮影可能な8メガカメラなどのスペックをもち、Flipkart(インドのオンラインショッピングサイト)での価格は10835ルピー(2万円強)。オリジナルのアプリをプリインストールし、テーマによるカスタマイズなど、インドユーザーのニーズに応える。
インド市場で第4四半期に出荷されたスマートフォンのうち、23%が100ドル(6000ルピー)以下、100~200ドル(6000~1万2000ルピー)は41%を占めたとCanalysは報告している。
同社のアナリストRushabh Doshi氏は、「ローカル市場の好みを満たすことが今後ますます重要になる」としており、たとえばMicromaxは、インドで用いられている多様な言語に対応する「Unite」ラインをいち早く展開していたという。
Samsungは2ポイントの僅差で2位となった。3位はやはり地元のKarbonn、4位も地元のLavaとなっている。
インド市場は中国に次ぐスマートフォンの成長市場で、中国のXiaomi、新興市場を狙う「Firefox OS」のMozillaも狙っている。Googleは2014年秋に、プラットフォームを統一した廉価モデル「Android One」をインドで最初にローンチしており、MicromaxやKarbonnはAndroid Oneのパートナーとなっている。
Samsungは2015年1月、自社が中心となって開発するモバイルOS「Tizen」を採用した初のスマートフォン「Samsung Z1」をインドで発売している。