ベンチ環境
検証環境は、まず比較用として「Celeron G1840」と「Core i7-4790」を用意。マザーボードはASUS「H97M-E」、メモリーはCENTURY MICRO製の低電圧メモリーDDR3L-1600 8GB×2、ビデオカードは上記のようにASUS「GT730-SL-1GD3-BRK」。ストレージにはCFD販売のSSD「CSSD-S6T128NHG6Q」(128GB)を選んだ。なるべく最小構成といったところだ。
内蔵GPUと外付けGPUでの違いを見るために、「Celeron G1840」のみの状態、「Celeron G1840」と「GeForce GT 730」を組み合わせた構成、「Core i7-4790」のみ、「Core i7-4790」と「GeForce GT 730」の4パターンで消費電力の計測を行なっていく。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Celeron G1840」(2.8GHz) Intel「Core i7-4790」(3.6GHz) |
マザーボード | ASUS「H97M-E」(Intel H97 Express) |
メモリー | CENTURY MICRO「CK8GX2-D3U1600」 8GB×2 |
ビデオカード | ASUS「GT730-SL-1GD3-BRK」 |
SSD | CFD販売「CSSD-S6T128NHG6Q」(128GB) |
電源ユニット | Fractal Design「Newton R3 1000W FD-PSU-NT3B-1000W」(1000W) |
OS | Windows 8.1 Enterprise(64bit) |
さて電源だが、余剰電源として手元にあったものがFractal Design「Newton R3 1000W FD-PSU-NT3B-1000W」だけだった。
思いっきりオーバースペック、かつ上記環境は80PLUS Platinumの意味がないくらい消費電力は低いのだが、80 PLUSにおいてTitanium以外は負荷率10%台はカウントされておらず、もっとも利用数が多いであろうSilverやGold電源の場合も大差はないと判断した。
ワットパフォーマンスの差が明確に
消費電力の計測シーンは、マシン起動時とアイドル、ドラゴンクエストXベンチマーク、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマークとした。
またベンチマークスコアも計測しており、ワットパフォーマンスの差がわかる形にしている。以下のグラフは上記シーンでの消費電力をグラフ化したものだ。
マシン起動時は電源投入直後からデスクトップが終了するまでの平均で、アイドルはデスクトップで20分放置してから10分間の平均。
ドラゴンクエストXベンチマークとファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク時の消費電力は、ベンチマーク中の平均消費電力となっている。
またドラゴンクエストXベンチマークの設定は、標準品質、ウィンドウモード、1280×720ドット。ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼアベンチマークは標準品質(デスクトップ)、ウィンドウモード、1280×720ドットとした。
なお、「Celeron G1840」が最高設定でのベンチマーク中に強制終了が起きたため、検証は標準品質とした。
計測結果を見てみると、マシン起動時には差が生まれているが、アイドルについては大きな差は生じていない。さらにベンチマーク2種の状態での差はほぼないという、おもしろい結果となっている。
例外としては、「Core i7-4790」+「GeForce GT 730」のドラゴンクエストXベンチマーク時で、この場合だけ63Wと計測した範囲では消費電力が大きくなっている。といっても、これも気になるレベルではない。
次にベンチマークスコアだ。消費電力に極端な差が生じなかったことからすると、以下の結果もまたおもしろい。
とくにドラゴンクエストXベンチマークでは「Celeron G1840」のみでは4609であるのに対し、「Celeron G1840」+「GeForce GT 730」では9364と大きなスコア差が生じながら、消費電力差は2Wしかなく、3D性能をそれほど要求しないゲームタイトルであれば十分遊べる環境として成立することがわかる。
逆にファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼアベンチマークでのスコア差は誤差範囲に留まっており、得手不得手が明確だ。
以上のことから、内蔵GPU単体よりもGeForce GT 730を用意したほうが、消費電力にほとんど差がない状態のままグラフィックス性能を高められることがわかった。
ローエンドのビデオカードは価格も安く、ドラゴンクエストXやモンスターハンターフロンティアGなど、軽めの3Dグラフィックゲームを遊ぶのであれば、十分に効果のある選択だ。
またマルチディスプレー化も、3系統+内蔵GPUで4系統も可能であり、株取引やFX用のPCを考えている人にとっても、内蔵GPUよりも性能のいいビデオカードを用意したほうが、性能に余裕を持たせることができる。