クラウド会計freeeが個人だけでなく法人もターゲットにする新コンセフト 「バックオフィス最適化」を発表した。同社が掲げる目標「スモールビジネスのバックオフィス業務の自動化」に一歩近づく見込みだ。
全自動+バックオフィス最適化でなにが実現する?
11月6日、クラウド上で会計ソフトを運営するfreee(フリー)は、今までの個人事業主向けの経理業務の「全自動」というコンセプトに加え、中小企業向けの新たなコンセプト「バックオフィス最適化」を発表した。
中小法人の経理業務では、大きな負担となっている請求書作成・経費精算のやりとりなどをこの新コンセプト「バックオフィス最適化」で、経理に関わる業務プロセスをクラウド上で完結させる狙いだ。さらに、クラウト会計ソフト「freee」にOCR機能、一括振込ファイル出力機能を追加した。

領収書をスマホで撮影して、経費として登録しているところ
OCR機能では、取引先から受け取った請求書や領収書などをスマートフォンや「ScanSnap」(PFU)を用いて、画像データとして読み取らせる試み。同社代表取締役の佐々木大輔氏は、「今回追加されたOCR機能を用いれば、画像データから、「日付」「金額」「取引先」などを自動で補完できる」とアピールした。これにより、いままで手入力していた取引先からの請求額や、現金での支払いのデータを撮影するだけで、自動で会計ソフトへの取り込みが可能となるという。
また、「一括振込ファイル出力機能」を用いて、未払いの取引先への振込が一括でできる「全銀フォーマット」のファイル出力に対応し、会計データとして登録してある未払金から複数を選択し、これらを一斉に振込できるファイル形式での出力ができるようにしたという。
これら2つの新機能により、「請求書の受け取りから支払い」の流れを省力化し、一般的な取引先への支払業務の流れを大幅に省力化する狙いだ。

freeeの佐々木社長「クラウドを利用している経営者はそうでない人に比べて働きがいや幸福度を持って仕事をしている」という野村総研レポートを発表した
同社のサービスは、1年7カ月で14万のユーザーを獲得した。今回の新コンセプトにより、有料会員を増やしていきたい考え。佐々木氏は、「freeeクラウドサービスでは、会計の専門知識がなくても簡単に確定申告ができるので、個人事業主のユーザーに喜ばれてきたが、今回の新コンセプトで中小企業のみなさんにも使いやすくなっている。2014年の確定申告は、税率が変わったり、電子保存ができるようになる方向性だったりと、いろいろな変化があるので、ぜひ、freeeを活用してほしい」と今後の抱負を語った。
