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アプリを無料で広めよう!6つの広報活動と実施のポイント (1/2)

2014年10月27日 11時00分更新

文●池村 修/エキサイト

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この連載が本になりました!

「ランキングが上がらない」「開発費が回収できない」アプリを作って終わりにしない現場のノウハウを凝縮。 「DL数が伸びない」「DAUが増えない」「課金されない」スマホアプリビジネスの悩みを、ASO、広告運用、内部改善など、豊富な事例をもとに解説。iOS/Androidマーケの全体像がつかめる国内唯一のアプリマーケ実践本です。連載時から大幅に加筆修正し、最新情報を盛り込みました!

事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87

価格:2,700円 (本体2,500円) /形態:B5変 (208ページ)
ISBN:978-4-04-866451-6

 スマートフォンアプリのマーケティングノウハウを紹介する本連載。前回の記事では、アプリをもっと「使ってもらう」ために、アプリ内でできる改善施策について解説しました。

 今回から、アプリを「広める」ためのマーケティング施策を紹介します。「広める」ための施策には大きく「広告宣伝」と「広報活動」がありますが、第9回では費用をかけずにすぐに取り組める、広報活動から紹介します。

アプリマーケティングの全体像と施策。今回は(3)広報活動

 アプリの広報活動には以下の6つがあります。

  1. プレスリリース配信
  2. レビューサイトへ依頼
  3. TwitterやFacebookで告知
  4. アプリ紹介ページの設置
  5. 自社サイト内のブログ
  6. アプリ業界主催の勉強会で発表

 どれも、リリース時、通常運用時、アプリアップデート時、OSメジャーアップデート時のすべてのフェイズで実施できますが、もっとも重要なのはアプリの新規リリース時です。話題を作る最初で最大のチャンスですので、ここで多くのユーザーを獲得できれば、その後の「広める」活動もしやすくなります。他のアプリに埋もれてしまわないように、複数の施策を組み合わせて、ダウンロード数を伸ばしましょう。

1.プレスリリース配信:メディアにアプリを知ってもらう、ニュース記事で広めてもらう

 プレスリリースとは、企業がメディア関係者向けに配布する発表資料のことです。ニュースリリースとも呼ばれ、新製品や新サービスの発表、他社との提携、大規模なキャンペーンの実施など、企業の新しい情報を外部に発信したいときに作成します。

 プレスリリースの大きな目的は、「メディア関係者に発表内容を知ってもらう」ことです。プレスリリースが記者や編集者の目にとまれば、ニュース記事として掲載され、取材の依頼やレビュー記事の執筆につながることもあります。記事が掲載されれば、記事を読んだ読者によるダウンロード数の増加、ランキングの上昇による露出度のアップ、さらなるダウンロードの促進、といった好循環が期待できます。

 また、メディア関係者に配信するだけでなく、自社サイトにも掲載することで、サイトを訪れたユーザーに発表内容を直接伝えることもできます。

アプリリリース時のプレスリリースは5つの基本構成で書く

 App StoreやGoogle Playといったアプリストアでは、毎日たくさんの新しいアプリがリリースされ、メディア関係者には毎日大量のプレスリリースが届きます。記事に取り上げてもらうには、記者や編集者の目にとまり、内容がすぐに把握できるプレスリリースを作成する必要があります。

 実際のプレスリリースの作成は、会社によって広報部が担当するか、アプリの担当部署で作るか異なるでしょう。エキサイトの場合は、アプリのプロトタイプが完成した時点で広報担当に情報を共有し、アプリの魅力を伝えたうえで、プレスリリースを作成してもらうようにしています。

 アプリの新規リリースの場合は、以下の内容を簡潔にまとめます。

  1. タイトル:アプリ名に加え、「売り」を盛り込みアピール
  2. 特徴:どのようなシーンで/誰のための/どのような機能があるのかをまとめる
  3. 画像:アイコンとスクリーンショット(端末ありの画像を含む)
  4. 動画:アプリの説明動画(イメージ/コンセプト動画でも良い)
  5. 基本情報:リリース日/対応OS(対応端末)/ストアURL

 以下は実際に配信したiOS版「エキサイトニュース」アプリのプレスリリースです。

iOS版「エキサイトニュース」アプリのプレスリリース

 タイトルは、「早い、軽い、シェアしやすい。iPhoneアプリ「エキサイトニュース」を無料配信」として、アプリの「売り」、対応OS、アプリ名を簡潔にまとめています。

 作成したプレスリリースは、広報担当者を通じて関連するメディア向けにメールで配信し、自社サイトに掲載します。広報担当者がいない場合は、関連するメディアの担当者に直接メールを送信するか、外部のプレスリリース配信サービスを利用して配信します。

 エキサイトでは、外部に配信すると同時に、社内全社員にも同様のプレスリリースを流すことで、リリース内容の周知徹底を図っています。

リリース時以外にプレスリリースを配信するタイミング

 プレスリリースはアプリのリリース時以外でも配信できます。新規ユーザーの獲得だけでなく、アプリが日々進化し続けていることをアピールすることで、一度離れてしまったユーザーの再訪を促し、既存ユーザーの満足度向上に繋げられます。

 具体的には、以下のタイミングでプレスリリースを配信するとよいでしょう。

  • 有料アプリを値下げしてセールを実施するとき/無料化するとき
  • アプリ内イベント(コラボ等)を開催するとき/期間限定の企画があるとき
  • 累計ダウンロード数が○○万ダウンロードを突破したとき
  • メジャーアップデート時/新デバイス対応、新機能を追加したとき
  • App StoreやGoogle Playで特集されたとき

 以下は、「エキサイトニュース」がiPadに対応(ユニバーサルアプリ化)したときのプレスリリースです。

2013年6月に配信した「ユニバーサル対応」プレスリリース

 フラットデザインの採用、iPad画面に合わせたUIの提供など、前バージョンとの違いや特徴を盛り込みました。また、動画のURLを掲載することで、アプリの使いやすさを印象付け、取り上げられやすくしました。

 実際、このプレスリリースを配信した結果、複数のメディアに掲載され、新規ユーザーの中でも特にiPadユーザーの獲得に成功しました。このように、2回目以降のプレスリリースは、新機能やフルリニューアル、セール情報など、メディアに取り上げられやすいネタを提供しましょう。

 もう1つ事例を紹介します。以下は、エキサイトニュースが「App Store Best of 2013 今年のベスト」に選出されたときのプレスリリースです。

2013年12月に配信した「App Store Best of 2013 今年のベスト」選出プレスリリース

 配信ストアの特集に選出されるのは稀であり、業界内や一般ユーザーにさらにアピールするいい機会です。このようなイベント時にプレスリリースを配信することで、新規ユーザーの獲得、既存ユーザーの満足度向上を狙っていきましょう。

2.レビューサイトへの依頼:アプリを体験して感想を拡散してもらう

 プレスリリースをもとにしたニュース記事は、基本的にどのメディアでも同じような内容になります。プレスリリースとは違った視点でアプリの魅力を詳しく紹介するメディアが、「アプリレビューサイト」です。レビューサイトに取り上げられれば、ニュース記事以上のダウンロード数の増加が期待できるうえ、レビューを読んだユーザーは興味を持ってアプリをダウンロードするので、初回起動率が高い傾向もあります。

 レビューサイトごとにユーザー属性や記事の切り口に特徴があるため、アプリの内容によって適したサイトを選定してレビューを依頼します。

サイト名 URL サイトの特徴
かみあぷ速報 http://www.appps.jp/ iPhoneアプリのレビューや神アプリの解説など。iOSの総合ニュースサイト
AppBank http://www.appbank.net/ iPhone/iPadアプリの紹介、値下げ・セール情報など。iPhone関連アクセサリーも紹介
オクトバ http://octoba.net/ 日本最大級のAndroidアプリ情報サイト。アプリの紹介だけではなく、ニュースなども配信
アンドロイダー https://androider.jp/ Androidアプリ情報サイト。独自でセキュリティチェックを実施し、安全なアプリのみ紹介

 レビューサイトへは、メールで依頼します。日々依頼メールが送られてくることを想定して、インパクトがあり、かつ文字数が多くならないように簡潔にまとめます。

  • タイトル:アプリの売りをアピールしながら簡潔に
  • 本文:どのようなアプリかをまとめる/画像を本文に埋め込んでイメージを伝える/YouTube動画も記載する
  • プロモーションコード:アプリ審査が通っていれば(Ready for Saleの状態)、リリース前でも事前ダウンロードができるコードを追記して、実際にアプリを使ってもらえるようにする
  • 基本情報:いつリリースなのか/OSはiOSかAndroidか(タブレット対応なのか)/ストアURL

 以下は筆者が実際にレビューサイトへ送ったメールの内容です。

新規アプリ「ヒマラヤ飛行 機長席」をリリースした際に送ったメール本文

 「『生音』を使い『スリリング』な体験ができる」と簡潔に特徴を解説し、画像を見てさらに興味を持ってもらえるよう構成しています。さらにプロモーションコードを明記し、実際に触ってもらえる環境を整えました。

 画像の容量が大きいとメールの表示に時間がかかり、読む気も無くなりますので、筆者の場合は3〜4枚の画像を本文に入れることにしています。動画を用意すると、実際にアプリをインストールしなくても、内容が伝わりやすくなります。

 レビューサイトへはプレスリリースと同じタイミングで依頼をし、ニュース記事との相乗効果を狙うと効果的です。レビューサイトで紹介されると1日のダウンロード数が数千回にまで伸びることもあり、特に有料アプリの値下げセールや期間限定の無料化などのイベントと重なれば、ダウンロード数が一気に伸びます。実際、500円の有料アプリを100円に期間限定で販売した際は、プレスリリースとレビューサイトへの依頼、この後紹介する施策との相乗効果で、カテゴリ有料でトップセールス1位を獲得した事例もあります。

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