NTTドコモは「ネットワーク戦略に関する説明会」をメディア向けに開催。同社のLTEネットワークについて現況を説明した。

4つの周波数でLTEを提供するドコモ
クアッドバンドでLTEを展開するドコモ
1.7GHz帯と1.5GHz帯はLTE専用なので「フルLTE」
今回の説明会でキーワードとして用いられたのは「フルLTE」。ドコモは、2GHz帯(2.1GHz帯)、1.7GHz帯(1.8GHz帯)、1.5GHz帯、800MHz帯の4つの周波数でLTE(Xi)を提供しているが、このうち1.7GHz帯と1.5GHz帯については、それぞれ割り当てられている20MHz幅と15MHz幅をすべてLTEで用いていることから、この表現に繋がっている。
特に20MHz幅の1.7GHz帯については、都心部を中心に下り最大150Mbps対応の基地局を設置している。1年前の同様の説明会では2014年度末の時点で2000局という数字が提示されていたが、実際にはすでに2千数百局にまで達しており、今年度中には7000局になるよう、前倒しで展開を進めているという。
この数値は、auがドコモの基地局数を引き合いに出しつつ、下り最大150Mbps対応の基地局数がすでに1万局を突破していることをアピールしたのに対する対抗だと思われる(関連記事)。また、下り最大112.5Mbps以上の基地局数であれば、すでに2万1000局、今年度末では4万局まで達する予定とのこと。
複数の周波数を束ねることで通信速度を高速化するキャリアアグリゲーション(CA)については、ドコモも今年度中のスタートを予定している。ドコモのCAは800MHz帯+1.7GHz帯、2GHz帯+1.5GHz帯の2つのパターンがあり、ともに下り最大225Mbpsを実現する予定。
iPhone 6でも45MHz幅の周波数が利用可能
VoLTEも可能になり次第、使えるようになる予定
なお、iPhoneでは1.5GHz帯には対応しないものの、2GHz帯の15MHz幅、800MHz帯の10MHz幅、1.7GHz帯の20MHz幅の合計45MHz幅と十分な帯域を持っており、特に1.7GHz帯での下り最大150Mbps対応を強調。VoLTEについても、iPhone 6で利用可能になり次第対応予定だとする。
今回説明したNTTドコモ 取締役常務執行役員ネットワーク部長の大松澤 清博氏は、通信の快適さは最大通信速度ではなく、通信容量の余裕で変わってくると語る。そして都市部を中心としたトラフィックが集中する場所を中心に高速LTEエリアを随時増強するなど、今後もネットワークを強化していく姿勢を見せた。
