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オーダーメイドスーツをクラウド化

2014年06月17日 07時00分更新

文● 伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

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 「LaFabrics(ラファブリクス)」は、インターネットでオーダーメイドのスーツを販売するウェブサービス。クラウドファンディング「Makuake」を通じて、たった2日間で100万円以上を調達した注目のサービスだ。LaFabricsを運営するライフスタイルデザイン代表取締役の森雄一郎CEOは、ビジネスの特徴を「中間業者を挟まずに低価格で、高品質なオーダーメイドスーツを届けます」と説明する。

LaFabricsのウェブサイトでは、スーツの種類や生地が選べる。

 今年2月からサービスを開始すると、初日から数十件のオーダーが入ったという。注文を受けてから材料を調達するので在庫リスクがなく、スーツの制作は提携工場が請け負うので自社リソースが不要。まさに「持たざる経営」を実践している。当初は、価格を抑えるために東南アジアの工場を視察したが、クオリティーが低いことから断念。メイド・イン・ジャパンにこだわって探し歩いた結果、国内でもトップレベルの縫製技術を持つ工場と提携できた。

 インターネットでサイズを測るためには、同社は「フィットアルゴリズム」を開発。ウェブサイトで7つの質問に答えるだけで、プログラムが数百パターンから最適なサイズを導き出す。当然プロが店舗で実測するレベルには届かないが、「既製品以上、フルオーダー未満」のフィット感は担保する。現在、フィットアルゴリズムの特許を出願しており、オーダーファッションのプラットホーム展開も視野に入れている。

ライフスタイルデザイン代表取締役の森雄一郎CEO 。

 クラウドファンディングで支援を求めたのは資金調達だけでなく、サービスのPRと利用者とのエンゲージメントを重視した結果だと森CEOは明かす。国内のアパレル市場は9兆円、現在LaFabricsと同様のサービスを提供する企業は米国で年々増えているという。しかし、森CEOは「アジアのアパレル市場45兆円を狙っています」と、グローバルな事業展開を考えている。市場規模の45兆円のうち、23兆円は中国が占める。「これまでの日本は、中国からものを買う国でした。これからは、日本の技術やプロダクトを売る時代です」(森CEO)。

 今後は、スーツ以外のベルトやネクタイといったビジネスファッションの品数拡大だけでなく、ポロシャツやTシャツといったカジュアルファッションの参入を目指す。


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