二重の「輪」を持つ小惑星が見つかったとして、ブラジル・リオデジャネイロにある国立天文台などの研究チームが、英科学誌「Nature」に3月26日(現地時間)発表した。
小惑星は、土星と天王星の間を周回している直径約250キロメートルの天体「カリクロ(Chariklo)」。幅約7キロメートルと約3キロメートルの輪があり、2つの輪の間の距離は約9キロメートルだという。
カリクロに関しては、2013年6月3日にヨーロッパ南天天文台など7ヵ所の天文台で特定の恒星が数秒見えなくなる現象を観測。この現象は、カリクロが恒星の光をさえぎって発生させていることが判明していた。
さらに、カリクロによる星食の前後にもわずかに恒星の光がさえぎられるという観測結果から、研究チームはカリクロに二重の輪があることを特定したという。また、カリクロには未発見の小さな衛星がある可能性もあるそうだ。
これまで太陽系の天体では木星、土星、天王星、海王星に輪があることがわかっていたが、小惑星に輪が見つかったのは初めて。