BlackBerryは9月18日(現地時間)、最新のスマートフォン「BlackBerry Z30」を発表した。5型という大画面の有機ELディスプレーを搭載したフルタッチ型のスマートフォンで、同社の中で最も大きく、高速で、高度な機種という。9月中に英国と中東で発売を開始し、年末に他の主要市場に拡大する。
Z30は5型の大型ディスプレーを持つ。720×1280ドットのフルタッチ対応Super AMOLEDで、BlackBerryではこれまでで最も大きな画面サイズとなる。おなじみのハードウェアのQWERTYキーは備えず、ソフトウェアベースのキーボードを用意する。カメラは8メガピクセルでF値2.2。手ぶれ防止などの機能も備える。
プロセッサーは1.7GHz動作で、メモリーは2GB。ストレージは16GBでmicroSDカードにより拡張できる。バッテリーは2880mAhで、こちらも同社最大という。スタンバイ状態で16日、通話時間は90時間、動画再生では12時間持続するという。そのほかLTE、無線LAN、NFC、Bluetooth 4.0などをサポートする。
OSは最新の「BlackBerry 10 OS v10.2」。1月に発表したBlackBerry 10の最新版となり、新機能の「Priority Hub」やメッセージ通知システム機能の強化などが特徴となる。
Priority Hubは、電子メール、BlackBerry Messengerメッセージ、ソーシャルネットワークなどのやり取りを一元管理するBlackBerry Hubの強化版で、重要なやりとりや相手を学習することで電子メールやメッセージなどの情報に迅速にアクセスできるという。
メッセージ通知機能では、アプリの利用中にBlackBerry Messenger(BBM)メッセージを受信すると、アプリを中断することなくメッセージに返信できるようになった。ロック中の場合は、ロック画面のアイコンをタップしてメッセージのプレビューや通知をチェックできる。
ハードウェア側ではこのほか、最新のステレオおよびステレオピーカー技術「BlackBerry Natural Sound」も導入した。通話、音楽や動画、アプリやゲームなどの音声を改善し、たとえばBBM VoiceおよびBBM Videoチャットはこれまで以上に自然で現実的な体験になるという。アンテナでは新世代の「Paratek Antenna」を搭載した。電波受信のチューニングを動的に行い、シグナルが弱いエリアでの電話不通の改善やデータ送信の高速化が図れるという。
BlackBerryでは、10月中旬に「BlackBerry Z10」「BlackBerry Q10」「BlackBerry Q5」の3機種向けの最新版へのアップデートを開始することも明らかにしている。
BlackBerryは業績が振るわず、8月には売却を含めた戦略代案を探ることを発表している。IDCの2013年第2四半期のデータでは、BlackBerryのシェアは2.9%、出荷台数は前年同期から11.7%減少し、Windows Phoneに次ぐ4位となっている。
Z30の発表と同じ9月18日、BlackBerryが最大40%という大規模なリストラ対策を準備しているとWall Street Journalが報じている。