『Android/Obad.A』は非常に複雑なモバイルマルウェアです。正確に言うと、以下の理由からこれまで見られた中で最も複雑なマルウェアのひとつです。
- Bluetoothを利用して、他のAndroidデバイスに感染します。
- 攻撃者からのコマンドを受け付けます。
- デバイス管理リストに表示されないようにします。
これらは、最近のマルウェアに見られる悪意のある活動です。Android/Obad.Aはユニークなマルウェアなのでしょうか。いいえ、SymbOS/Cabirのように、以前からBluetoothを介して拡散するモバイルマルウェアは他にもありました。Symbian、Windows Mobile、さらにはAndroidのモバイルボットネットも、以前から攻撃者のコントロールサーバーからのコマンドを受け付けていました。しかし、デバイス管理リストに表示されないという最後の項目が、Android/Obadをより悪質にしています。
隠しアプリは招かれざる客か
見つけることができなければ、削除することはできません。rootアクセス権を持たない他のAndroidマルウェアのほとんどは見つけることができます。Android/Obadは標準的なデバイス管理リストに表示されないという脆弱性を利用します。この脆弱性はまだふさがれておらず、他のマルウェアの作者も利用し始める可能性は非常に高いのです。
隠れているアプリを見つける
幸い、McAfee Mobile Innovations(MMI)アプリの最新版(英語版のみ)には隠しアプリを検出する機能が追加されています。また、MMIアプリには他にもベータ版の新機能が組み込まれています。個人データを保護するData Vault、デバイスを紛失する前にデバイスから警告が発信されるようにするSmart Perimeter、危険なQRコードの読み取りを防ぐツールであるSafe QR Readerの利用が可能です。
Hidden Device Administrator Detectorは、たとえ脆弱性を利用してAndroid OSに表示されないようにしていても、デバイス管理者アクセス権限を持つすべてのアプリを検索して検出します。実行すると、デバイス管理者権限を持つすべての隠しアプリのリストと、アプリを停止または削除するオプションが表示されます。
脆弱性を利用して隠れようとするマルウェアは短命です。ソフトウェアの発行者がソフトウェアのバグを修正したり、マルウェア対策アプリが検出、駆除を追加したりすれば、それで終わりです。
※この記事は、McAfeeの運営しているブログから、注目のエントリーを編集部でピックアップし、転載しているものです。
※本ページの内容はMcAfee Blogの抄訳です。
原文:Mobile Malware Plays Hide and Seek