CRM(顧客情報管理システム)など企業向けクラウドサービス大手の米セールスフォースによる、デジタルマーケティング企業イグザクトターゲットの買収が合意となった。買収価格は約25億ドルで、セールスフォース過去最大の規模となる。
イグザクトターゲットはメールやソーシャルメディア、モバイル端末を活用したマーケティングサービスなどをウェブ上のプラットフォームで提供している。米コカ・コーラ、米ナイキ、米ギャップといった有名起業をはじめ、6000以上の顧客を抱える会社だ。
買収の完了は7月となるが、セールスフォースは、イグザクトターゲットの株を買収合意前日の終値より53%高い1株33.75ドルとし、総額約25億ドルの現金を用意することになった。
もっとも成長が見込めるのがオンラインマーケティングの分野だと調査会社のガートナーは分析予測している。CRMを中心に企業向けクラウドサービスに圧倒的な強みを見せるセールスフォースが、優良なデジタルマーケティング起業を取り込み、相乗効果による拡大路線を狙うのは自然な流れだ。
だが、このやや急展開とも見える背景には、勢力を強めていくアマゾンウェブサービス(AWS)の存在があることは間違いない。