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アダマンタイマイの背中に城!?

スクウェア・エニックス最強のカードゲームの話を聞いてきた

2012年09月10日 18時00分更新

文● 電撃オンライン編集部

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 こんにちは、ゲームが好きで月に数十本以上遊んでいる電撃の編集者のそみんです。今日は僕が最近ハマっているスクウェア・エニックスのPC用ゲーム『モンスタードラゴン(MONSTER×DRAGON)』の開発スタッフインタビューをお届けします。

 この『モンスタードラゴン』は、100人でのリアルタイム対戦が楽しめるSLG。ACTやRPG、カードゲームの要素も加わった独特のゲーム性を実現しているゲームで、つい先日には大幅なバージョンアップが行われた他、ハンゲームでのサービスも始まりました。詳しいゲーム内容は、こちらのプレイレポートを参照ください。

 お話をお聞きしたのは、『モンスタードラゴン』のプロデューサーである岡山博紀さん。『モンスタードラゴン』に関する話はもちろん、ブラウザゲームを取り巻く状況やゲーム開発における意気込みなどもお聞きしたので、ぜひお楽しみください。

『モンスタードラゴン』の生みの親に直撃!
そのアイデアはどこから生まれた?

【岡山博紀】▲『モンスタードラゴン』のプロデューサー。スクウェア・エニックスのコンテンツ&サービス開発部に所属。

――まずは『モンスタードラゴン』を作ることになったきっかけや、アイデアの原点について教えてください。

 同じブラウザゲームである『戦国IXA』の存在が大きかったですね。僕はそもそも『戦国IXA』の開発にかかわっていたんですけど、例えば、戦国の世界観の部分を大事にすると、城などの位置が固定されてしまうので、ちょっと遊び方の自由度は制限されてしまう部分がありました。

 『モンスタードラゴン』の出発点は“戦争がおもしろいゲーム”を作ることでした。もっとアクティブに楽しめるシステムにしようと考えた結果、まずは『戦国IXA』の戦争システムをベースに、城を動かせる形にして試してみました。

――城を動かす!? その発想はどこから?

 アクティブな戦場にしたかったのが大きいです。そこで、城を移動させながら武将カードでデッキを作って、数十人を4チームで分けて、最後まで生き残ったチームが勝ちというテスト版を作ったんです。そうしたら、社内でとても評判がよかったんですよ。やっぱり、アクティブにリアルタイムで大人数が動く部分のおもしろさを確信しましたね。

 『モンスタードラゴン』でプレイヤーが動かすフォートレスは、今でこそドラゴンのようなモンスターの形ですけど、最初のイメージはモンスターの上に城を乗っけたような感じでした(笑)。それこそ、最初は『ファイナルファンタジー』のアダマンタイマイ(巨大な亀のモンスター)の上に西洋風の城が建っているというストレートなイメージでしたね。

 個人的に、物語設定よりもゲームシステムを考えるほうが好きなので、フォートレスのイメージは周りのスタッフと話し合いながら固めていった流れです。

 あとは、ちょうど自分がカードゲームにはまっていた時期でもあったので、デッキを作ってコンボを決めるというゲーム性も強まっていきました。

――かなり初期から、今の完成形が見えていたんですね。

 それはあくまで結果論で、作っている最中は本当に手探りでした(笑)。初期は内政的なモードも入れることを検討していましたが、リアルタイムバトルのよさを生かすなら、むしろ邪魔になるかもしれないと、スパッと切り落としました。

 社長からも「とにかく戦争をおもしろくしてほしい」と当初から言われていたので、それなら……と、戦争に特化していった結果が、今の『モンスタードラゴン』です。

――たしかに戦争に特化しているぶん、とっつきやすい気がします。100人バトルのわらわら感は、ものすごく楽しいです。

 わらわら感は、けっこう意識しましたね。『戦国IXA』でも、戦争における楽しい要素でしたし。ちょっとFPSに近いかもしれませんけど、わいわい楽しんで、やられてもすぐに復帰できるくらいのバランスにしていきました。もちろん、システムに慣れてきたらちゃんと戦術を練って戦ってほしいと思いますけど、あまりシビアにしすぎても楽しく遊べないと思ったので。

▲何はなくとも、100人同時プレイの臨場感は圧巻! ルールにはすぐに慣れていくので、まずは多人数のわらわら感を体験してみてほしい。

ぶっちゃけ、『モンスタードラゴン』はライト向け? ヘビー向け?

――これは『モンスタードラゴン』が単発の戦争をメインとしたゲームだからだと思いますが、仕事が忙しくて2~3日遊べなくても、すぐに違和感なく復帰できるのがありがたいです。

 僕も含む開発チームは、忙しくてがっつりゲームを遊べないこともあるので、自分たちが気軽にいつでも遊べるようなゲームがいいなという気持ちもありました。

――ぶっちゃけ、他のゲームとかけもちできるくらいの重さなのが、とても助かります(笑)。

 おもしろいデータがあるんですけど、つい最近、ハンゲームさんでのサービス開始や、“Season3.0”へのバージョンアップに際して、いろいろと告知を行ったんですけど、新規ユーザーさんだけでなく、1カ月以上ログインをしていなかった既存のユーザーさんが復帰してくれるケースが非常に多かったんですよ。

――基本ルールがしっかりしているだけに、少し遊ぶとすぐに勘が戻りますからね。

 今のタイミングで戻ってきたユーザーさんが多いので、今なら昔の仲間と再会できるかもしれません。今回のバージョンアップなどをきっかけに、また遊んでもらえるとうれしいですね。

――短時間で気軽に遊べる部分も、『モンスタードラゴン』の魅力だと思います。そういった遊び方はライトユーザー向けだと思いますが、意識してそうしていったのでしょうか。

 たしかに、拘束時間が短くてカジュアルに遊べるのは『モンスタードラゴン』の魅力だと思います。でも、ゲームシステムはしっかりと作ってあるので、深く遊べば遊ぶほど、ヘビーなゲームの部類に入ると思います。

 個人的には、あまりライト向けとかヘビー向けとかで分けて考えていません。『モンスタードラゴン』を遊んでくれた方が、結果として『モンスタードラゴン』を楽しんでくれるヘビーユーザーになってくれればうれしいというスタンスですね。

 ちなみに電撃オンラインさん的に『モンスタードラゴン』は、どんなユーザー向けだと思いますか?

――しっかり遊べる奥深さがある点はヘビーゲーマー向けだと思います。チュートリアルがしっかりしているとはいえ、覚えないといけない要素が多いのも、ちょっと敷居が高い気はしますね。

 なるほど。やっぱり、ハードルが高く見えちゃいますか。食わず嫌いはもったいないと思いますが、難しく見える部分はあるかもしれませんね。

――『モンスタードラゴン』に似たジャンルのゲームがないので、より難しそうに見えるのかもしれません。

 たしかに社内の品質管理チームにも心配されましたからね。「カードゲームの要素まで入れて、本当にバランス調整をできるんですか」って(笑)。

 本格的なTCGとしても通用するようにバランスを調整するのは大変でしたけど、その甲斐あって、カードを集めてデッキを組んで、自分のイメージ通りのコンボが決まった時の楽しさは格別になるような形に仕上がったと自負しています。

 『モンスタードラゴン』は重く見えたり、難しく見えたりする部分もあるかと思いますが、MMORPGよりはカジュアルに短時間で楽しめるものになっています。ちょっとした登録をするだけで、インストールの手間なしにすぐにプレイできるので、ぜひ食わず嫌いをせずに試してみてほしいですね。

▲インストールは不要! 会員登録をするだけですぐに遊べるのはブラウザゲームの大きな魅力だ。

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