海外のテレビ番組を見たいと思う
中国人のホンネ
さて、ここらで真面目な話。中国ではネットの検閲同様に、本来は自由に海外の未許可のコンテンツを見ることは許されず、違法行為扱いではある。
過去に調べてみれば電視棒販売での逮捕例もあるが、これはポルノコンテンツへの誘導が逮捕の決め手となっている。
中国人は海外の映像コンテンツの視聴欲が結構強い。今回紹介した電視棒に限らず、世界のテレビがP2Pで見られるPC向けソフトや、アプリなどが出回っていて知名度はそこそこある。
また、都市部のマンションではパラボラアンテナがちらほら取り付けられているが、これも衛星放送を受信するための装置であり、いずれも違法であるが厳しく取り締まることはなく、こっそりと世界のテレビをみる手段を確保する人は多い。だからこそ、こうした文言の製品で客を釣ろうとしているわけだ。
一方で、日本で言えばワンセグチューナーのような、USB接続のモバイルテレビチューナーやチューナー搭載のポータブルテレビが各地で正規にリリースされている。しかし、(政府公認の)中国のテレビ局発のコンテンツしかないため、ガジェット好きにも受け入れられず、まったくといっていいほど売れていない。チューナー搭載の携帯電話も売られているが、テレビ利用者はいるのだろうが筆者自身見たことがない。
路線バスには今当たり前のようにディスプレーがついていて、そこでモバイルテレビチューナーでも見られるコンテンツを表示していることもあり。「路線バスで見られるし、そのコンテンツ自身もつまらないのであえて買いたくない」というのが本音のところ。
「中国のテレビは見たくない、むしろ海外のテレビが見たい」派の中で、「中国を外から見て中国の真の姿を知りたい」といった崇高な理由の人はいるかもしれないが、会ったことはない。
筆者が出会った海外のテレビをこっそりと見ている人は、コンサートやアニメや台湾のバラエティー番組などをなんとなくテレビで流したいと皆口々に言っている。
中国のテレビ番組はクリエイティブでない上に、各局の番組が農村部の人々でも見られるようなレベルになっているため、特に都市部の人にとってはコンテンツが面白くないわけだ。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)

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