FLASH職人・ポエ山さん(42)
―― お話を聞いてきて、本当にいろんなことに手を出されるなと感じます。
ポエ山 ほんとそうなんですよ。子供のころにマンガを描いてたんですけど、雑誌形式で10本のマンガを同時に連載して、全部1人で描くっていう。1ページずつ違うマンガを描かないとすぐ飽きてしまうので。たまたまそういう飽きっぽい性格が時代に合ってたのかもしれないですね。いろんなことを同時にやれてるのが充実、って感じの状態です。
―― 仕事も自主制作も、手広くやれている今は超充実ってことですね。仕事のマネジメントもお1人なんですか?
ポエ山 一応家内制手工業で、妻に手伝ってもらっていて。家族は息子が2人います。10年の間に、2児をもうけてしまって。
―― なんと手広い。子供たちもゴノレゴは見たんですか?
ポエ山 はい。笑ってました。
―― おおー。なんだか妙にうれしいですね。
ポエ山 「ゴノレゴさんかっこいー!」と言ってくれてますよ。けどまあ、10年後は分かりません。「父さんちょっと気持ち悪い」と言いだすかもしれないです。今だけはパパが作ったの見たい、見たいと言ってくれてるので、今が盛りかなと。
―― ポエ山さんとして10年やってきて、どうでしたか。
ポエ山 10年やってこられたのが不思議でしょうがないというか……。ものを作るのが好きなので、ものを作って食っていけるかなあとは思ってましたけど、10年後もまだポエ山でやっていけるとは夢にも思ってませんでした。奇跡だなあと思います。ここまできたら、10年後もポエ山でやっていこうと思ってます。
―― 10年後はポエ山さん(42)になるわけです。
ポエ山 でも、当時からけっこうオッサンだと思われてたんですよ。FLASHのイベントとかに行くと「ぜんぜんイメージちがう、こんな若い人だと思わなかった、ガッカリだ」と。
―― ガッカリされても困りますけどね。
ポエ山 自画像をすごいオッサンにしてて、ネタ的にも古い劇画とかレトロタッチのものが多かったので、すごい年配の大御所みたいに思われていたところがありまして。なので、10年後、42歳でもまだいけるかなと。
―― あと10年でようやくポエ山さんらしくなるのかもしれない。
ポエ山 はい。本来の姿に近づいていけるんじゃないかな、と思っています。