フラットパネルディスプレーに関する総合技術展「FPD International 2011」が、28日までパシフィコ横浜で開催されている。
FPD International 2011は、ディスプレーの製造を支える周辺企業の展示が中心で、韓国/台湾/アメリカ/ヨーロッパなど各国のビジネスマンや技術者が来場し、会場内は非常に活気があふれる状況となっていた。
今回はこれから数年にわたり、世界的にさらに市場が急拡大すると思われるスマートフォン用デバイスの展示も多数見られたので、それらを中心に紹介していこう。
自社のIPS液晶の利点を
有機ELと比較してアピールするLG
まず、ブースが隣ということもあって、強く対抗意識を燃やしていたのがLG Displayとサムスン電子だ。特にLG Displayのブースでは、同社の「AH-IPS」(AHはAdvanced High performanceの略)方式の液晶が有機ELに対し、「高解像度」「バッテリーライフ」「熱の少なさ」「色のナチュラルさ」の4点で、モバイル用途においてメリットを持つことをアピールしていた。
一方、サムスン電子では55型の超薄型テレビのほかにも、ペンタイル方式による10.1型で2560×1600ドットという、超高解像度&省電力ディスプレーの展示などが見られた。
多様な種類のディスプレーがが提供できる
台湾のパネルメーカー
台湾の世界的パネルメーカーである「Chimei Innolux」(奇美電子)、「AUO」(AU Optronics)の両社も大規模なブースを展開していた。
Chimei Innoluxのブースでは、今後のスマートフォンで搭載されそうな4.5型(720×1280ドット)で裸眼3Dに対応した液晶や3.5型の有機ELなどを展示。また、ノートPC用パネルでも低消費電力をアピールしたものが多く見られた。
一方のAUOも、IPS液晶や有機ELなど全方位的にデバイスを展示。タッチパネルを一体化した4型WVGAの有機EL、800cd/m2という非常に明るい4.29型qHD液晶、従来品の53%に消費電力を抑えられるという省電力型液晶などが興味深かった。
次ページでは、そのほか気になったデバイスやブースについて、一気に紹介する。