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Webサイトの品質を保つ制作仕様書の作成

2012年01月12日 11時00分更新

文●アンティー・ファクトリー

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 制作仕様書とは、Webサイトの制作における細かな技術要件やガイドラインを記載した資料のことです。Webディレクターが、デザイナーやコーダーなどのプロジェクトメンバーと協力し、クライアントに必要な情報をヒアリングしながら実制作が始まる前に作成します。

 一般的なWeb制作のプロジェクトでは、1人の制作者のみで仕事が完結することはほとんどありません。そのため、制作担当のスタッフごとで制作方法の細かな部分が異なってしまうことがあります。

 また、Webディレクターが制作物を検品する際にも、判断基準となるガイドラインが必要です。制作仕様書として文書化することで、スタッフは迷いなく制作を進めることができ、成果物の品質を一定以上に保てます。

制作仕様書の基本的な構成

 制作仕様書は、デザインガイドライン、コーディングガイドライン、画面遷移、その他利用する技術に応じた細かな仕様や設計書などで構成されます。

 デザインガイドラインは、ビジュアル面に関する仕様書です。単純にビジュアルの詳細だけでなく、実装に必要な単位(RGBの値やピクセル、パーセント値など)も記載します。

 コーディングガイドラインは、複数スタッフによるコーディング時の細部の違いをなくす役目があります。コーディングのときに守るべきルールや使う名称の一覧、実現したい機能などを記述しておきます。

 仕様書はExcel、Word、PowerPoint、Illustratorなどのツールで作成します。作成者以外のメンバーも編集できる形式で作成するのが基本です。

仕様書はあくまでも指針

 ページ数の多い大規模サイトや、新技術を採用するサイトを制作する場合、仕様策定の漏れや遅れが作業に大きく影響してしまいます。そのため、制作仕様書の作成にも十分な時間を確保し、あとで作業のやり直しなどが起きないように、漏れのない正確な仕様書を準備しておきます。

 一方で、仕様があまりにも詳細過ぎると、例外的な状況に対処できなくなります。技術要件などの厳密な仕様は別にして、仕様書はあくまで指針と考えて柔軟な対応が求められます。

 また仕様書の確定後も、制作の途中で仕様変更が発生する場合があります。その場合は迅速に制作仕様書を更新し、プロジェクトメンバー全員に通達します。

 仕様書は正しく運用することで初めて意味のある文書になります。更新時にはバージョン管理を徹底し、変更内容が分かるようにするとともに、過去の仕様書も後から参照できるように残しておきましょう。

著者:アンティー・ファクトリー

アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。

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