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「直し」を防ぐWeb文章校正の基本ルール

2011年09月09日 11時00分更新

文●高橋 仁/クロスコ

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 Webサイトは他の媒体に比べて比較的容易に修正できるのがメリットですが、反面、「簡単に直せるから」という理由で、何度も“直し”が発生することがあります。そこで欠かせないのが、校正作業です。

 テキストなどに間違いが発生する主な原因には、元の原稿が間違っている、テキストの流し込み時の操作ミス、作業時や修正時の指示間違い、さらには仮サーバー・本サーバーアップ時の先祖返り、などが考えられます。

 人間が作業する以上、ミスは必ず発生しますが、校正のプロセスを加えることでミスを減らすことができます。

「ダブルチェック」が校正の基本

 Webサイト制作に限らず、校正作業で重要なのは、ダブルチェック、つまり繰り返し確認することです。

 ダブルチェックには2つの意味があり、1つは「2人の人間がチェックする」ことです。作業者本人は内容に見慣れてしまっているため、校正時には別の人に見てもらうと間違いを発見できます。

 また、もう1つの「ダブルチェック」は、「データと出力物の両方でチェックする」ことを指します。テキストデータは、エディターなどのスペルチェッカーで確認します。その際には、SEO対策と合わせて用語統一も確認します。コーディングが済んだ画面は、紙に出力してチェックしましょう。ディスプレイでは気がつかなかった間違いを発見できる可能性があります。ケータイサイトの場合は、エミュレーターだけでなく、必ず実機の画面でレイアウトが崩れていないかを確認することが重要です。

サーバーアップ時の「先祖返り」を防ぐには

 Webサイトは、本サーバーに上がっているデータを「最終バージョン」として管理する必要があります。

 「軽微な修正だから」と、本サーバー上のデータを修正すると、次回更新時に仮サーバーのデータで本サーバーのデータを上書きしてしまい、公開中のバージョンが古くなってしまう「先祖返り」が発生します。

 先祖返りを防ぐには、データの修正履歴を残してバージョンを管理したり、サーバーへのアップ権限を持つ人が再度チェックしたり、といったルールを先に決めておき、ルールに沿って運用することが大切です。

 なお、ケータイサイトの場合は、制限された文字数でデザインされているため、文字数の変化がレイアウトを崩す原因になります。校正によって修正が発生した場合には、必ずレイアウトへの影響を確認しましょう。

 校正は地味な作業ですが、納期や工数、コストに直接影響します。確実な校正で後々の「直し」を最低限に抑えることは、ディレクターの重要な役目です。

著者:クロスコ

クロスコは、映像技術とコミュニケーション支援のサービスドメインを持ち、Webサイト、動画・映像などを組み合わせたクロスメディアプロモー ションを、ワンストップで実現してきました。アナログ停波後のデジタルメディアの多様化、ソーシャルメディアのコミュニケーションにも先立って対応 し、あらゆるタイプのマルチデバイス、マルチスクリーンのコンテンツの制作・開発・サービス提供を行なっています。こうした先進のノウハウにより企業の皆様にこれから必用とされる新しいコミュニケーションの形を、戦略からご提案・提供してまいります。

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