3月8日、インフォテリアはiPadなどに対応した情報配信・共有サービス「Handbook」の新バージョン「Handbook 3」を4月下旬より提供すると発表した。
Handbookを用いたユーザー事例が続々
Handbookは、クラウド上のサーバに登録した文書や画像のデータを、スマートフォンやタブレット端末に表示させるサービス。情報を登録・配信する「Handbook Studio」、端末側で情報を表示するアプリケーション「Handbookアプリ」と構成される。
2009年6月にiPhone用としてサービスを開始した直後は、教育利用を中心に普及。その後、2010年5月にiPad/Android端末に対応したところビジネス利用が広まり、現在ではユーザーの81%が企業だという。
当日行なわれた発表会に登壇したインフォテリア代表取締役社長/CEOの平野洋一氏は、Handbookのユーザー事例を紹介した。まず紹介されたのは野村證券。役員会議や営業会議などの資料配布にHandbookを利用しているという。これにより、会議資料の受付期限がなくなり、最新の情報を配布できるようになった。さらに、役員会議では大量の紙コピーが発生していたが、ペーパーレス化が実現できたという。
ほかにも、明治製菓が医薬品事業部門で導入し、全国のMR(Medical Representative、医薬情報担当者)への情報配信・共有に利用するなど、詳細は非公表だが、3桁の導入例があるという。
新バージョンの強化点は3つの「S」
このように企業での導入が広がっているHandbookだが、今回発表されたHandbook 3では、現行の「Handbook 2」と比べて3つの「S」をポイントに機能を強化している。
1つ目のSは「Smart」で、ユーザーインターフェイスの改善など使い勝手の向上となる。たとえば、トップメニューに配置されるアイコンが拡大され、任意の壁紙を設定できるようになった。これにより、導入企業の自社アプリケーションのような見た目を実現できる。また、登録されたコンテンツの一覧では、リスト表示だけでなく、内容が見えるタイル表示をサポート。画像ファイルの全画面表示も可能となっている。
また、表示しているPDFの上に書き込めるメモ機能、ワンタッチでアカウントを切り替えるマルチアカウントなどの便利な機能も追加される。
2つ目のSは「Simple」。シンプルで簡単な操作で効率的に情報やファイルの登録、配信が可能になる。多数のファイルを登録する際には、複数のファイルを選択してドラッグ&ドロップすればアップロードが行なわれる。また、扱えるファイル形式も増加し、これまでのPDFやExcel、PowerPointに加え、
- アップルのオフィスアプリ「iWorks」のKeynote(プレゼン)、Pages(ワープロ)、Numbers(表計算)
- Word
- 動画ファイルのmp4、mov(m4vは以前より対応)
- 音声ファイルのmp3、WAV、AIFF、AAC
に対応する。
また、4月下旬のサービス開始時期以降になる可能性もあるが、クラウドサービスとの連携も予定している。第1弾はDropBoxへの対応だが、ほかのサービスとの連携も計画しているとのことだ。
3つ目のSは「Secure」で、企業活動で必要とされるエンタープライズレベルの運用、管理、セキュリティ機能が強化される。端末紛失時の対策として「クライアントでのパスワードの保存を禁止」が可能となり、利用可能なデバイスの種類の制限(iPhoneのみ許可など)が行なえる。さらにデバイス固有のIDによる認証も可能で、会社貸与のiPadからだけ利用を許可するといった運用が実現できる。
料金は、これまでと同様に1社あたり月額2万1000円から。オンプレミス型の提供も行なっているが、こちらは初期費用180万円(税別)に加え、年間保守料金20万円(同)となる。