Webサイト制作を受注するときに必要になるのが、企画提案書です。企画提案書はクライアントの要望を正確に引き出すことを目的に、ヒアリングした内容をもとにプロジェクトの概要をまとめます。具体的には、Webサイトの目的、コンテンツ内容、サイトマップ、画面レイアウト(ワイヤーフレーム、デザインカンプともいいます)、スケジュール、サーバー環境、見積金額などを記載します。クライアントから発注を受ける前に、Webサイトの完成イメージをクライアントに理解してもらうためにも重要なものです。
企画提案書でクライアントの要望が確定したら、次の要件定義書の作成に入っていきます。
企画提案書の作成方法
企画提案書の作成には、マイクロソフトのPowerPointを使用することが多いようです。実際に自分がクライアントの前でプレゼンする状況をイメージしながら、話をする順番に沿ってページを作成していきます。
企画提案書の前半部分は、ヒアリングした課題や目的を整理し、できるだけヒアリング時と同じ言葉を使って分かりやすくまとめます。内容を分かりやすく伝えるには、文章だけでなく、図や画面イメージを入れると効果的です。実際の画面イメージをもとに、コンテンツ内容や機能などの説明をすることで、より具体的な議論ができます。
後半部分は、Web制作を開始するにあたっての具体的なスケジュールやサーバー環境、更新方法、見積金額をまとめていきます。
スケジュールに関しては、クライアントの状況も確認しながら、コンテンツ内容や機能の追加を第1フェーズ、第2フェーズなどの段階に分けて提案するケースもよくあります。フェーズ分けにより、クライアントの優先順位を確認してもらうことができ、Webサイトが継続・成長していくイメージや次の予算感を把握してもらうのにも役に立ちます。
企画提案書の作成のポイント・注意点
企画提案書を作成するときには、何回かブラッシュアップすることが重要です。プレゼン前に何日かに分けて確認作業をして、関係者などに相談しながら少しずつ完成度の高い企画提案書に仕上げていきましょう。
企画提案書の表紙には、クライアントの正式名称と提案者側の会社名を記載します。企画提案書だけが独り歩きすることも想定して、実現可能な内容を記入してください。企画提案書の中にクライント側の内部情報やシステム図など、重要な情報を記載している場合は、企画提案書の上部か下部に「社外秘」と記載し、情報が第三者に漏れないよう管理には十分注意を払いましょう。
著者:水野良昭
JWDA(一般社団法人日本ウェブデザイナーズ協会)理事。1968年東京都生まれ。商社7年勤務後、シリコンバレーに渡米。帰国後、自治体WEBサイトを構築。その後ISPにてグループウェアASP商品化。第13回 KSPベンチャー・ビジネススクール 準優秀賞受賞。同ビジネスプランにて、オンラインデスクトップ株式会社を設立。