このページの本文へ

見積書の作成

2010年11月29日 11時00分更新

文●水野良昭/オンラインデスクトップ

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷
web-keyword

 Webサイト制作における見積書とは、Webサイトを制作・公開するために必要な、企画ディレクション費用、デザイン費用、システム関連費用、ランニング費用などをまとめて記載した書類です。ただし、クライアントが概算金額の提示を要求した場合は、企画提案書の中に概算金額を盛り込むこともあります。

 正確な見積書を作成するには、ヒアリング後の企画提案書で方向性をしっかり固め、要件定義書でクライアントの意向とズレが生じていないか確認します。それでも、制作が進む中で、当初はなかった要望が発生することはよくあります。追加費用を相談するためにも、見積書に追加費用に関して記載しておくとともに、事前に十分説明しておくことが大切です。

見積書の具体的な作成方法

 見積書に記載する見積金額は、一般的にページ単価×ページ数から計算できます。全体のページ数は、企画提案時にサイトマップを作成することで確認が可能です。

 会社案内、カタログなどの元原稿がない場合、制作会社に文章の作成まで期待されることはよくあります。原稿作成の有無をヒアリング時点で確認して、制作サイドで作成する場合はコピーライティング費用や翻訳費用なども計上しましょう。同様に、Webサイトで使用する写真やイラストもクライアント側が用意するとは限らず、手配に費用が発生することもあるので確認します。

 事前にクライアント側の予算を把握できるのであれば、予算内で制作できるパターン、より充実したサイトにするための費用を計上したパターンなど、3パターンほど用意して提出する場合もよくあります。

見積書作成のポイント・注意点

 システムについては、プログラムを新規開発するのか既存のオンラインサービスを利用するのかで、費用が大きく変わってきます。オンラインサービスによってはカスタマイズができず、クライアントの要望をすべて満たせない場合もあるので、見積もりの時点でも慎重に選定しましょう。

 見積書には制作にかかる初期費用だけでなく、サイト運営に必要なランニング費用も記載してクライアントの理解を得るようにしましょう。

 制作を急ぐばかりに初期費用の見積もりしか提出していないと、更新などのランニング費用があいまいになりがちです。サーバーやドメイン、SSLなどのライセス費用だけでなく、サイト更新のスポット対応費用や毎月の更新費用のこともきちんと説明する必要があります。もしクライアント側で運用の予算を確保できない場合は、更新頻度が高いコンテンツについてはクライアント自身で更新できるシステムを提案時点で盛り込んでおく必要があります。

書影

書籍版は、企画・設計・制作・運用など、Webディレクション業務の大まかな流れに沿って構成。最新情報を盛り込み、書き下ろしのコラムや用語集も収録しました。ずっしり重い1030g、厚さ19.5mmで、苦手分野を穴埋めしたい新米Webディレクターや、これからWebディレクターを目指す方におすすめの1冊です。

Webディレクション標準スキル152

本体 4,280円+税、AB判392ページ(オール4色刷)
ISBN:978-4-04-868746-1

Amazon.co.jpで買う 楽天ブックスで買う

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています