10月4日、大手ISPのNECビッグローブとデータベースの条件検索エンジン「Spook」の開発を行なうフォルシアはオンライントラベル事業で提携し、宿泊プランの比較サービスをSaaS型で提供することを発表した。
「旅は比べて決める」が受けた!
発表会の冒頭、事業概要について説明したNECビッグローブ メディアサービス事業部長 下島建彦氏によると現状、宿泊・旅行業ではEC化が進んでおり、2012年には1兆円規模に拡大するという統計もあるという。楽天トラベルやJTB、じゃらんなど宿泊予約サービスも増加している。一方で、複数のサイトで宿泊プランを比較するのはかなり大変な作業であり、BIGLOBEで行なったアンケートによるとユーザーの約6割が比較に面倒くささを感じており、1~2サイトをチェックするのが精一杯だという。
こうしたニーズに対して、2010年3月にBIGLOBE旅行で導入したのが、大手旅行サイト9サイトを一括で比較できる「宿泊プラン比較サービス」だ。9サイトで、国内宿泊サイト利用者の約95%をカバーしており、110万件の宿泊プランが比較できるという。また、他では必須の日程やエリアを指定せずに、プランを比較できるという特徴も持っており、「場所はどこでもいいので、貸し切り風呂があるところ」、「人気のあの宿に泊まれる日を探したい」といった検索や比較が容易に実現できるという。下妻氏によるとサービス開始以来、大きな支持を得ており、月間利用者数は250万UU、予約総額が6億円を実現したという。
この宿泊プラン比較サービスを支える検索エンジンがフォルシアの「Spook」だ。Spookでは、オリジナルデータベースを軽量化した最適化データを生成することで、高速な検索を可能にする。また、特定の条件検索を絞り込んでおく「プロアクティブ技術」により、ユーザーに対してさまざまな条件をあらかじめ提示し、該当なしを極力避けるようにできる。
大手ポータル含め14サイトが導入
今回は、この宿泊プラン比較サービスを「旅くら」SaaS型で提供する。具体的には、旅行ポータル、観光協会、旅行情報などを提供するサイトに導入し、宿予約の入口を増やすというもの。サービスは無料で提供され、ヘッダ、フッダのHTML、希望ドメインを提出するだけで導入できる。サービスの利用者が予約・宿泊すると手数料収入が得られるというメリットもあるという。
旅くらは、@nifty(ニフティ)やExcite(エキサイト)、So-net(ソネットエンタテインメント)など、BIGLOBEの競合となるポータルサイトでも導入されたという。また、アウトレット・ジャパンや岡山県観光連盟、ぱど3誌など、旅行・エリア情報サイト、観光協会、企業内利用など14サイトでの導入も発表された。