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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第23回

CDを超える高音質音源をPCとスピーカーで堪能する技

2010年07月20日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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GX-500HD

「GX-500HD」。店頭実売価格は4万2800円程度

 一方のGX-500HDは、オンキヨーのPCオーディオ向けスピーカーのフラッグシップモデルで、独自のデジタルアンプ技術「VL Digital」を搭載するハイエンドスピーカーである。再生周波数範囲は50Hz~100kHz、デジタル入力のサンプリング周波数は32、44.1、48、96、192kHz/24bit。出力は40W×2と、パソコンスピーカーとしてはダントツのハイパワーが魅力だ。

 入力端子類は、光デジタル入力とRCAアナログが2つの、計3系統を用意している。アナログの入力端子が金メッキ処理されているところにもこだわりを感じる。

背面の入出力端子

GX-500HD背面の入出力端子

 SE-200PCI LTDの人気が高いのは、2チャンネルアナログ出力が高音質なためだ。もちろん、2チャンネルでスピーカーに接続する。スピーカーに付属のRCAケーブルは少々チープだったので、サウンドボードに付属するケーブルを利用した。

 パソコンの内蔵サウンド機能と付属スピーカーの組み合わせとは、音の解像感の違いが、再生した瞬間にわかる。中域が重厚で、高音まで滑らかに再生される。ノイズが少なく、奥行き感がリアルに伝わってくる。今まで聞こえなかった音が聞こえ、お気に入りの曲が生まれ変わったかのように感じる。

サンプリング周波数などが正しく設定されているか確認

サウンドカードの設定で、サンプリング周波数などが正しく設定されているか確認

 立ち上がりが早く、アタックの強いサウンドも余裕で再生可能。お気に入りの音楽を大きめの音量で再生すると、作業の手が止まって聞き入ってしまう。「ワルキューレの騎行」や「交響曲第9番」など、こてこてのクラシックでも胸が熱くなる。

 小さなスピーカーはセッティングがキモだ。ひととおり試したあとで、インシュレーターを置こうと思ったら、付属のスペーサーが想像以上にチープだった。そのため、10円玉を数枚重ねて使ってみた。パソコンデスクに載せるので、平行よりもやや自分の方向を向けて設置した。音がさらにクリアになった感じになり、しばらく使い込むと、音がなじむ。低音が弱く感じることもあるが、必要ならサブウーファーをつなげばいい。端子は背面に用意されている。

 筆者の耳では残念なことに、24bit/96kHz版と24bit/192kHz版の違いがわからなかった。ファイルサイズが4倍違うので、期待していたのだが、ブラインドでは聞き分けられない。とはいえ、CD音質と比べれば、音の広がりは感じる。筆者は高い192kHz版ではなく、96kHz版が分相応のようだ。

Windows Media Playerにて再生中

Windows Media Playerにて再生中。ビットレートは9Mbpsにもなる

 SE-200PCI LTDとGX-500HDの組み合わせは、パソコンレベルを遙かに超えている。セットで揃えると6~7万円近くするが、得られる満足感はひとしおだ。仮にパソコンが時代遅れになっても、このセットは使い続けられる。予算を抑えたいなら、内蔵サウンド機能の光デジタル出力を利用し、GX-500HDのみを導入する手もある。この組み合わせでも、桁違いの高音質を楽しめる。

 どちらにせよCDを越える音楽を体感できるので、今まで音に興味がなかった人も、オーディオの世界に目覚めるかもしれない。ただし、これ以上先のピュアオーディオワールドは、暗くて深い河のようなもの。予算も手間も半端ではなくなるので、くれぐれも注意しよう。

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筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。


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