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Webアプリをインストール!?Chrome Web Storeって何?

2010年06月01日 11時00分更新

文●小橋川誠己/Web Professional編集部

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 Google I/O 2010で発表されたグーグルの新しい動きの中で、謎に包まれているのが「Chrome Web Store」だ。「Webアプリケーションのマーケットプレイス」「App StoreのWebアプリ版」という説明は分かるようでよく分からない。Chrome Web Storeとは一体何なのか? 5月25日に都内で開かれた報道関係者向けのGoogle I/O報告会から、Chrome Web Storeの姿を探る。


Webアプリ移行の障害を取り除く

グーグルの及川卓也シニアエンジニアリングマネージャー

グーグルの及川卓也シニアエンジニアリングマネージャー

 グーグルはWebアプリケーションの普及にとにかく熱心だ。HTML5(+JavaScript)への取り組みは有名だが、それだけではない。「Native Client」と呼ばれる技術で、C/ C++で書かれたプログラムもブラウザー上で実行できる環境を用意し、あらゆるアプリケーションのWeb化を推し進めようとしている。

 グーグルの及川卓也シニアエンジニアリングマネージャーは「ネイティブアプリはWebアプリに置き換わっていくというのがグーグルの基本的な考え方」と説明する一方、「普及にはいくつかの課題があることが分かった」と話す。

 課題の1つは、エンドユーザーがどのようにしてWebアプリの存在を発見するか。量販店の店頭やダウンロードサイトのような、製品が集積する「売り場」があるデスクトップアプリと異なり、Webアプリは個々のアプリのURLが分からなければ利用できない。「よほど著名なアプリでなければ検索しても見つけにくい。多くのユーザーにとって必要なアプリを見つけ出す行為は、実はそれほど簡単ではない」(及川氏)

 ユーザーがアプリを見つけづらいということは、開発者からするとユーザーへのリーチが難しいことになる。単にWebアプリを公開しただけでは存在を知ってもらうのは困難で、自前での集客は必須。仮に集客に成功しても、収益化には課金インフラの整備などのハードルがある。「これまでもWebアプリのさまざまな収益化の方法が模索されてきたが、決め球がなかった」と及川氏はいう。

 こうした課題に対してグーグルが用意した回答が、「Chrome Web Store」だという。Chrome Web StoreはさまざまなWebアプリ(有料/無料を含む)が並ぶ、Webアプリの「売り場」だ。グーグル以外のWeb開発者も、自分で作ったWebアプリを登録して告知・販売できる。いわゆるギャラリーサイトの1つだが、ユーザーが気に入ったアプリを「インストール」すると、Google Chrome/Chrome OSにアプリケーションとして登録できるのが特徴だ。

Chrome

グーグルが開発中の「Chrome Web Store」のモックアップ。好みのWebアプリを「インストール」するとChromeにアプリケーションとして登録される


 「Webアプリをインストール」と聞くとは妙な気がするが、感覚としては「お気に入りへ追加」に近い。インストールしたWebアプリのアイコンはChromeのスタートページに配置され、ワンクリックですばやくアクセスできる。ちょうど、デスクトップアプリをOSにインストールして、デスクトップやスタートメニューにショートカットを置くような感覚だ。

Chrome

インストールしたWebアプリはChromeのスタートページ(新しいタブを開いた画面)にアイコンが表示され、すばやくアクセスできる


 有料アプリ用の課金手段も用意する予定だ。ユーザーはWebアプリごとにクレジットカード番号を入力する手間が省け、開発者は決済システムを自前で持つ必要がなくなる。具体的な決済方法は検討中だが、「既存の仕組みを利用することになるだろう」(及川氏)とのことだから、常識的に考えれば「Google Checkout」を使うことになりそうだ。


2010年後半に日本でも展開、詳細はまだこれから

 Webアプリ開発者から見たChrome Web Storeの魅力は、世界7000万人以上(アクティブユーザー数、グーグルの公称値)のChromeユーザーへリーチできることだ。「Chrome OSが登場すればさらに急速にユーザーは拡大する。開発者にとって魅力的な、ワンストップショッピングのサイトになる」と及川氏は話す。

 Chrome Web Storeへの登録は簡単で、「Webアプリ自体に手を入れる必要はない」という。開発者は、オフライン利用向けにキャッシュするファイルなどの情報を記述したマニフェストファイルとアイコン画像を用意して、Chrome Web Storeに登録する(マニフェストの作成方法はドキュメントとして公開されている)。

 ユーザー、開発者の双方に魅力があるChrome Web Storeだが、現状はまだまだ確定していない部分も多い。そもそも「Webアプリ」の定義1つとっても固まっておらず、「Webブラウザー上で動くアプリケーション。HTML/CSS/JavaScriptなどの標準技術と、Flash Playerのように普及しているプラグインが対象」(及川氏)と曖昧。アップルのApp Storeでは開発者の反発が強いアプリの審査基準についても未定だ。

 グーグルが提案する「Webアプリをインストールする」という習慣がユーザー、開発者にどう受け入れられるか。Chrome Web Storeは、2010年後半に日本を含む40言語で開始予定だ。

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