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富士通、ネットスイートと販売提携──大手SIとして初

2009年08月06日 09時00分更新

文● ビジネス・ソリューション編集部

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 ネットスイートは5日、SaaS型アプリケーションの販売で富士通と提携すると発表した。

米NetSuiteのCEO・ザック・ネルソン氏

日本法人代表取締役社長に就任した田村元氏

 富士通と富士通ビジネスシステム(FJB)はSaaS型のERP「NetSuite Release J」などを国内の中堅・中小企業向けに販売するほか、導入支援やコンサルティング、サポートなどの付帯サービスも提供する。Release JはNetSuiteに、日本の会計基準、規制、税制に準拠した機能を追加したもの。

 FJBとネットスイートは以前から関係があった。FJBはNetSuiteの検証、/評価、自社内での導入なども実施してきたが、今回一定の成果が得られたため、本社の富士通を含めたより深い提携が実現した。「ハードウェア面で米HPとの提携はあったが、大手システムインテグレーターとNetSuiteが提携するのは世界初」と米NetSuite CEO兼プレジデントのザック・ネルソン氏は話す。

 5日に実施された会見には、その前日に日本法人の代表取締役社長に就任した田村元氏も登壇。ネットスイートにとっては、マーケットカバレッジの拡大やソリューションカバレッジの拡大、富士通にとってはSaaSビジネスの立ち上げ加速し、中堅中小企業向けERPソリューションを強化できる点がメリットになると説明した。

日本における戦略

 田村氏は、SAPジャパンで約2年間マーケティングならびにカスタマーイノベーションセンター担当のバイスプレジデントを担当。それ以前はグロービア インターナショナルの副社長を務めるなど、ERPビジネスのエキスパートと言える人物。

 米NetSuiteの2008年売上高は、前年から40%増の1億5250万ドル。2009年第4四半期に獲得した新規顧客数は270。CEOのネルソン氏は「2007年~2012年にかけての日本のSaaS型ERP市場の伸びは17.3%におよぶ」「米国のERPベンダー部門でついにNetSuiteがトップ10に入った」と紹介。また、「その中で唯一のSaaS型ERPベンダーである点や40%の高成長率を実現している」点など強調した。

 NetSuiteは、ERP、CRM、eコマースなどの機能を包括的に備えている点が特徴で、新規にERPを導入したい中堅・中小企業だけではなく、大企業がすでに持つ基幹システムと接続して新規事業を強化したり、グローバル企業の海外オフィスと本社のシステムを一元化するといった用途での導入も増えているという。

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