次は「鮫島事件」も取り上げる
新聞の保守的なところを突破したい
ネットユーザーにとって目を引くのは最下部の「ディープニュース」という項目だ。ブログの炎上ネタや、アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で、同じストーリーを何度も繰り返し放送した「エンドレスエイト」についても報じている。池田氏は、これまで新聞がふれてこなかった話題をさらりと報じるところにクールさがあるのではないかと考える。
「そこに“~とは”という解説や前置きを書いてしまうと、ネットのヘビーユーザーからはダサいと思われてしまう。そうはしたくなかったんです。だからあえて説明せず、インターネットの世界にそのまま乗っかっていこうと。今度は鮫島事件について取り上げようと思っているんですよ」
新聞報道にはニュースだけではなく、取材特集という形もある。「初音ミクは今どうなっているのか」といったネットユーザーの気になる話題を追うことはあるのだろうか。
たとえば「痛車」など、一般人が初音ミクを使って何らかのプロジェクトを起こす例がある。そうした「ネットが現実社会にも影響を与えている」ことの背景を取材し、色モノ記事に吸収されないような形で書いていくという可能性はあるという。それを池田氏は「新聞の保守的なところを突破したい」と語る。実際の取材を通じて、それまでの常識を逆転していきたいという。
「タネはディープニュースの中にあると思うんですよ。まだ今は現象面だけを追っている形ですが、新聞記者としてつちかった能力を本気でこの世界に投入すれば、必ずや万人が感動するストーリーが埋まっているはずなんです。それをどう見つけるかが、ウェブ面の使命になってくるかと思うんです」