ここ最近、大手資本と提携した立派でおしゃれな「海の家」が目立つようになってきた。おしゃれなカフェテラス、もしくは南国ビーチリゾートのような海の家が立ち並び、昭和さながらの“ゴザ敷き小屋にぬるいラーメンとまずいヤキソバ”というイメージは払拭されつつあるようだ。
そんななかでも鎌倉 由比ヶ浜に7月1日よりオープンするJTの海の家「BLUE WINDY TERRACE」はクオリティの高いビーチリゾート気分を味わわせてくれるものになるはず。JTが由比ヶ浜に海の家を展開するのは今年で3年目となり、さすがに海の家という限定されたリソースでどれだけビーチリゾート気分を演出できるか手慣れたものとなっている。
湘南などの海水浴場近辺を定期的に散策しているとよく判るのだが、海の家は基本的に5月末~6月いっぱいまでに建設、7~8月営業して海水浴シーズンが終わるとともに素早く撤去されてしまう。このためやや高級感に乏しい、いわゆるトタン屋根などのシンプルな小屋を一般的なものだったのだが、ここしばらくの大手資本提携型はさすがにイメージ作りに気を遣い、プレハブにしてもうまく内装や外装を演出してきている。BLUE WINDY TERRACEの場合、南国リゾートホテルのテラスのようなウッドデッキをメインに解放感のある高いキャンバスの屋根など、短期間で撤去されてしまうには惜しい出来。
サービスのほうも料理研究家・尾身奈美枝氏に依頼し、カレー・ヤキソバ・焼きメシという海の家定番メニューを「ビーチメシ」としてアレンジ、満足感が得られるものとなっている。もちろん単にJTが運営するというだけでなく、7月発売の「マイルドセブン・アクア・スーパーライト・メンソール」のパブリシティの場でもある。店内にはタバコ販売カウンターが設けられ、ここでしか買えない限定パッケージなども用意され、店内では喫煙が可能となっている。来年度より神奈川県が施行する海水浴場での原則(指定場所以外)禁煙という動きのなか、このような海の家形態は喫煙者たちの憩いの場となるかもしれない。
ともあれ、湘南近辺の海水浴場といえば江ノ島が定番という印象だろうが、鎌倉見物のついでにたち寄れる程度の距離にある由比ヶ浜のロケーションはなかなか。湘南エリアもサーフ文化の強いサザンビーチ(茅ヶ崎)、より若者向けといったところの江ノ島、ゆったりとした雰囲気の由比ヶ浜)、さらに落ち着いた印象の逗子・葉山など、微妙に海岸ごとに温度差のある独特の文化圏が展開されているのがおもしろい。どこの海岸でこの夏を過ごすか(もちろん「お台場ガンダム」でもいいが)決めていないのなら、鶴ヶ岡八幡宮からまっすぐ南に歩いて海に突き当たったところというベストロケーションにあるこのBLUE WINDY TERRACE、立ち寄ってみる価値はありそうだ。