メイクアップシミュレーションシステム |
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)(NTTコミュニケーションズ)は13日、東京・大手町のアーバンネット大手町ビル内NTTコーポレートニューズルームにプレス関係者を集め、(株)セイジョー/デジタルファッション(株)とともにRFIDタグ(無線ICタグ)を用いたメイクアップシミュレーションシステムによる販売促進を目指す実証実験を、今月24日から3月2日(予定)でヘルスケアセイジョー 茶沢通り店で行なうと発表した。
NTTコミュニケーションズの第二法人営業本部 e-ガバメント営業部 担当課長の佐村俊幸氏(左)と先端IPアーキテクチャセンタ ユビキタスプロジェクトの今田秀樹氏 |
発表会にはNTTコミュニケーションズの第二法人営業本部 e-ガバメント営業部 担当課長の佐村俊幸(さむらとしゆき)氏、同 先端IPアーキテクチャセンタ ユビキタスプロジェクトの今田秀樹(こんだひでき)氏、デジタルファッションの技術開発部ジュニアマネージャーの小野敦史氏、同 営業部の渡邊宏一氏らが出席して、実験の狙いやユーザーメリットなどの詳細を説明した。
デジタルファッションの技術開発部ジュニアマネージャーの小野敦史氏(左)と営業部の渡邊宏一氏(右) |
これは独立行政法人情報通信研究機構(NiCT)が進める情報家電IPv6化関連研究開発事業と連携して行なわれるもので、化粧品は(株)コーセーの“LUMINOUS(ルミナス)”ブランドのチークとリップカラーを用いる。コーセーはこのほか店頭でのテスター/サンプルの提供、専用アドバイザーによるカウンセリングなどの人材/技術協力を行なう。
今回の化粧シミュレーションシステムの実証実験における各社の役割 | 実証実験の目的 |
メイクアップシミュレーター“mirref”は、デジタルファッションが開発した全自動/リアルタイムのメイクアップシミュレーションシステムで、鏡を模した液晶ディスプレーに向かうと左右からライトで照らされた表情が上部のCCDカメラで写し、化粧前/化粧後の表情、および推奨される付随化粧品(アイシャドウなど)を液晶ディスプレーに出力するというもの。海外(中国やフランス)では化粧品会社と連携して事業展開している事例がある。
化粧シミュレーションシステムの接続図 | メイクアップシミュレータの画面説明 |
今回の実験では、このシステムをベースに、化粧品(リップ10色、チーク14色)にRFIDタグを取り付けて専用台にセットすると自動的にサーバーから情報を取り出し(IPv6ネットワークで連携)、顔に化粧した状態を合成して表示する。結果(化粧前後の表情、および利用したリップ/チークの種別と同時に推奨される化粧品)は、はがきサイズの専用紙にプリントアウトして持ち帰ることもできるという。
メイクアップシミュレータの実際の画面。左側に化粧前と化粧後のイメージが表示され、右にはシミュレーションに使った化粧品の情報、およびそれらに組み合わせることを推奨する製品(ここではアイシャドウ)が紹介される | メイクアップシミュレータで印刷したアドバイスカードと、ICタグを取り付けた化粧品の例 |
NTTコミュニケーションズの佐村氏によると、実験の目的は、
- シミュレーターを設置することで商品への関心を高め、来店の効果を検証する
- 化粧品の推奨情報の運用性や販売効果を検証する
- どの商品を何回読み取ったかを集計することでマーケティングへの活用を検証する
という3点があるという。また、今田氏は期待される効果やユーザーへのメリットとして、
- 化粧品を購入するきっかけになる
- テスターを何度も塗ったり落としたりする手間や肌への負担を減らせる
- 時間をかけずに何色も試せるので、化粧品選びがしやすい
などを挙げ、販売店/化粧品メーカーへのメリットとしては、
- 商品が試された回数によって売れ筋情報が把握できる
- おすすめ商品を紹介する機能によって顧客単価の向上が期待できる
などと説明した。
同システムはヘルスケアセイジョーでの実証実験に先立って、今月15、16日に東京・秋葉原の秋葉原コンベンションホールで開催されるIP関連ビジネスの展示会“GLOBAL IP BUSINESS EXCHANGE 2006”でも出展されるとのこと。