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マイクロソフト、“MSN”のコミュニケーションサービスの刷新と統合を発表

2004年12月02日 20時24分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は2日、“MSN”ブランドで提供しているインターネットコミュニケーションサービスの刷新と統合を発表した。今回対象となるサービスは、ウェブメールサービス“MSN Hotmail”、インスタントメッセージングサービス“MSNメッセンジャー”、ブログサービス“MSNスペース”の3種類。“MSNメッセンジャー”では2005年正式リリース予定の次期クライアント『MSNメッセンジャー 7.0』のβ版の提供が、“MSNスペース”では今年8月からβ版として運用してきたサービスに新機能/サービスを追加した“正式版”の提供がそれぞれ開始され、さらに、“MSN”が提供するコミュニケーションサービスの統合が“MSN Hotmail”を中心に行なわれる。

“MSN”が提供する3種類のインターネットコミュニケーションサービス間では従来、“ユーザー個人のプロフィール”の共有のみが行なわれていたが、今回のサービス統合では、これに加えて“ユーザー個人が持つネットワーク”の共有化も進めていくという。具体例としては、“MSN Hotmail”のアドレス帳と“MSNメッセンジャー”の“友達リスト”の共有化、“MSN Hotmail”上での“MSNメッセンジャー”の利用(“MSN ウェブメッセンジャー”の活用)、アドレス帳や“友達リスト”に登録しているユーザーに対する“MSNスペース”上のブログの更新通知やアクセス制御(登録ユーザーのみにブログを公開など)、“MSN Hotmail”から“MSNサーチ”などのコンテンツへのスムーズな移動/検索、などが挙げられている。

MSN事業部サービス部コミュニケーションサービスグループディレクターの丸岩幸恵氏3サービスの統合による“共有化”の概念図

この日行なわれた記者説明会で概要の説明を行なったMSN事業部サービス部コミュニケーションサービスグループディレクターの丸岩幸恵氏によると、インターネットコミュニケーションサービスの普及に従い、ユーザーからは、多様化する選択肢と煩雑さや、データの分断・孤立化の解消、個人情報保護などのセキュリティー上の不安の解消といった、新しいニーズが要求されるようになってきているという。“MSN”ではこのようなニーズに応え、“機能”“技術”の単純な提供ではなく、もっと具体的に“何ができるか”をシンプルに提供すべく、各コミュニケーションサービスの統合・連携の強化を図っていくとしている。

3サービスの新機能、改良点は以下のとおり。各機能ともに、同日午後から提供が開始されている。

MSN Hotmail

  • “MSNメッセンジャー”との連携を強化し、“MSN Hotmail”のページ内に11月に提供を開始した“MSNウェブメッセンジャー”を埋め込み、“MSN Hotmail”サービスにサインインすると、自動的に“MSNメッセンジャー”サービスにもサインインし、双方のサービスを同時に利用開始できるようになった。また、メールの送信先を、“MSNメッセンジャー”の“友達リスト”にワンクリックで追加する機能を追加。
  • “連絡先カード”機能が新たに追加され、アドレス帳から、登録しているユーザーの“MSNメッセンジャー”の送信先、ブログのURLと内容の見出し、写真などを閲覧できるようになった。また、この“連絡先カード”から、直接インスタントメッセージを送信することも可能
“MSN Hotmail”。マウスカーソルがポイントしている場所に“MSNウェブメッセンジャー”のボタンが埋め込まれており、“MSN Hotmail”上から“MSNウェブメッセンジャー”が即座に利用可能


MSNメッセンジャー(新クライアント『MSNメッセンジャー 7.0』β版)

  • サウンド付きの動画をメッセージの送受信ウィンドウ“会話ウィンドウ”上に大きく表示する“ウインク”、会話相手の“会話ウィンドウ”をサウンド付きで揺らす機能“シェイク”(主に会話相手に自分へ注意を向けてほしいときなどに利用)といったコマンドの追加。
  • サインイン前に表示される自分の現在の状態(在席/離席/外出中など)を示す“ステイタス”を設定可能に。
  • “MSNメッセンジャー”クライアント用のミニポータル“MSNトゥデイ”の機能を強化。サインインと同時に“MSNトゥデイ”のウィンドウをポップアップし(させない設定も可能)、ニュース/天気予報/占いなどの情報を表示、閲覧頻度の高い情報へのアクセス性を改善。
  • “MSNスペース”との連携を強化。“友達リスト”に登録されたユーザーのプロフィールと連絡先を見ることができる“連絡先カード”が新たに導入され、メールアドレスなどの連絡先、ブログに書かれている音楽リスト(後述)、写真などを見られる。また、ブログが更新されると“友達リスト”のアイコンが点滅する通知機能も装備。
  • 検索サービス“MSNサーチ”との連携機能を強化し、会話ウィンドウの中に語句検索窓を新たに設置。会話中で出てきた言葉をハイライトして検索することも可能に。
  • マウスやペンタブレットなどで文字や絵を入力し会話相手に送信する“手書き入力”を追加。
  • カスタマイズ機能を強化し、“MSN”が提供するアイコンや絵文字、壁紙などに加えて、ユーザーオリジナルの画像などを簡単にカスタマイズに利用できるようになった。加えて、“自分”を示すアイコンの表示タイミングや表示場所を変更。
起動時に自動ポップアップさせることも可能となった“MSNトゥデイ”(左)と、新クライアントの“友達リスト”(右)“友達リスト”登録ユーザーの最新ブログの冒頭や写真も見られる“連絡先カード”
短い音声付き動画を相手に送る“ウインク”。いきなり会話ウィンドウ上に巨大アニメが表示されるのでインパクト抜群手書き入力した文字を送信しているところ
『MSNメッセンジャー 7.0』β版


MSNスペース

  • 8月から提供されていたβ版サービスから正式版サービスへと移行。
  • デザイン設定機能の強化が図られ、デザインテンプレートがβ版での7種類から31種類に増加。また、プルダウンメニューやドラッグアンド&ドロップ操作によるデザイン変更に対応。
  • ページ内に登録画像のスライドショーを表示する“フォトアルバム”機能、『Windows Media Player 10』に登録されている音楽リストの取り込み(タイトル/アルバム名/アーティスト名を表示。楽曲アップロードや配信機能は持たない)やブログ訪問者によるリスト登録曲の点数評価機能を追加。
  • “MSNスペース”のトップページに置かれた検索ボックスにキーワードを入れると、現在β版として公開されている次期バージョンの“MSNサーチ”を利用した“MSNスペース”内のブログの検索が可能に。
  • ブログ公開の範囲をユーザーが自分で選択可能となり、アクセスできる人の制限(“友達リスト”に登録されている人のみアクセス可能、など)、不要になったブログ上のすべてのコンテンツの削除ができるようになった。
デザインカスタマイズ機能が強化され、パーツのレイアウトの柔軟性、テンプレートの大幅追加が図られている『Windows Media Player 10』から楽曲の再生リストを取り込み、リストを表示する機能を追加(写真の画面は詳細表示時。パーツとしてトップページに簡易リストを配置することも可能)
“MSNスペース”(正式版)


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