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最大120GBの最速ドライブ登場!! 最新技術の詰まった「Deskstar 120GXP」

2001年12月27日 23時13分更新

文● 小磯

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123.5GB

 MaxtorやWestern Digitalに続き、アキバのユーザーから根強い人気を集めるIBMからも100GB超級のHDD「Deskstar 120GXP」が年末ギリギリになってデビューした。40~120GBまであるラインナップのうち、120GBモデル(123.5GB)の「IC35L120AVVA07」と80GBモデル(82.3GB)の「IC35L080AVVA07」が店頭に並んでいる。



世界初のピクシー・ダスト/AFCメディア採用3.5インチHDD
将来的には400GB達成可能!?

IC35L120AVVA07

 近年、HDDの記録密度は上昇の一途となっているが、IBMによると、プラッタの線記録密度が1平方インチ(約6.45平方cm)あたり20~40Gbitに達すると、磁化方向を維持できなくなり、データ消失の危険がある(おそらく、ビットが小さく高密度になると、ビットが持つ磁力の垂直成分がノイズとなって悪影響を与えるのだと思われる)という。これは“スーパーパラマグネティック効果(superparamagnetic effect)”と呼ばれるもの。この問題は現在流通している同社のHDDにも起こっており、これ以上プラッタあたりの記録密度を上げられないという事態を迎えていた。



AFCメディア
AFCメディアの概念図。オレンジ色の層がピクシー・ダスト(ルテニウム層)

 Deskstar 120GXPシリーズは、この問題を解消する「ピクシー・ダスト」(pixie dust:妖精のホコリ)を採用したはじめてのデスクトップPC向け3.5インチHDDだ。ピクシー・ダストとは厚さ原子3個分のルテニウム(Ru:元素番号44)に対するIBMの呼称。これまでのプラッタが採用していた1層構造の磁性層ではなく、上部の磁性層と下部の磁性層で非磁性層であるピクシー・ダストを挟み込む構造を採用している。この構造によりピクシー・ダストを挟む上下の両磁性層の磁化方向が逆になるが、そんな上下逆の磁化方向を利用して垂直成分の影響を抑え、全体の磁化を安定させようというわけだ。IBMによると「AFC」(antiferromagnetically-coupled:反強磁性結合)と呼ぶこの多層コーティングを「AFCメディア」としてプラッタに採用することで、1平方インチあたりのディスク領域に100GBitのデータを格納できるという。将来的には、3.5インチHDDで400GBまで到達可能になるようで、つまり今回のDeskstar 120GXPシリーズはその先鋒といったところだろう。なお、すでに2.5インチHDDでは「Travelstar 60GH」がAFCメディアを採用してデビューしている。



新技術の効果? ぶっちぎりの内部転送速度「74MB/秒」

流体軸受けは採用しておりません

 初のAFCメディアを採用3.5インチHDDシリーズのスペックを見てみると、1プラッタあたりの容量は40GB。Ultra ATA/100対応で回転数は7200rpm、平均シークタイムは8.5ミリ秒、キャッシュは2MB。最大内部転送速度は592Mbit/秒(74MB/秒)と、Seagate製「Barracuda ATA IV」の約69.3MB/秒やWestern Digital製「WD Caviar(High-Performance)7200」の約65.6MB秒、Maxtor製「DiamondMax D740X」の54.2MB/秒に大きな差を付ける、7200rpmのHDDとしては圧倒的な性能だ。Ultra ATA/133対応ではないのと流体軸受けモータ採用ではないのがマイナスポイントではあるものの、今後しばらく7200rpmのIDE HDDの本命となるのはまず間違いないだろう。



販売中

 27日の段階で販売中なのはT-ZONE.PC DIY SHOPで、価格は120GBモデルが4万2800円、80GBモデルが2万4800円と、“初物価格”を考慮してもやや割高な印象。だが、最速のパフォーマンスを求める人やIBM製の大容量HDDを求めているなら文句なしに“買い”の製品と言えるだろう。なお、週末に掛けてOVERTOPやコムサテライト各店、若松通商各店など、複数のショップにある程度まとまった数が入荷する見込み。



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