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ナスダック・ストック・マーケットの会長が来日――「米国経済は2002年第2四半期には回復する」

2001年12月13日 18時02分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ナスダック・ジャパン(株)は13日、ナスダック・ストック・マーケット会長兼CEOのHardwick Simmons(ハードウィック・シモンズ)氏、およびナスダック・インターナショナル会長兼CEOのJohn Hilley(ジョン・ヒリー)氏の来日に伴う記者懇親会を都内ホテルで開催した。

ナスダック代表者
左から、ナスダック・ストック・マーケット会長兼CEOのHardwick Simmons氏、ナスダック・ジャパン社長の佐伯達之氏、ナスダック・インターナショナル会長兼CEOのJohn Hilley氏。佐伯氏は「ナスダック・ジャパンは日本に市場間競争を持ち込んだことで日本経済に貢献してきた。本日現在で77社が上場しており、年末までに計82社の上場を予定している。時価総額では市場全体の30%を占めた。2002年には外国株も持ち込みたい。また、ハイブリッド型システムも導入する。日本経済を底から支えたい」と挨拶

ナスダック・ジャパン市場に上場している企業は本日現在で77社。11月末時点でのナスダック・ジャパン市場における時価総額は1兆2940億5000万円、月間総売買代金は743億1000万円、月間総売買高は990万6674株。

記者懇親会場で、Simmons氏はナスダックの進捗状況について、「ナスダックは最も流動性の高い市場。時価総額は東京証券取引所の4倍になる。2002年第3四半期末か第4四半期にはNASDから独立し、取引所となる。また、ハイブリッド型システム(※1)をしっかりと立ち上げる。このシステムにより株式の流動性がさらに大きくなる。市場にとって有益となるだろう。2002年第2四半期にはテスト状態となり、第3四半期に本格導入となる」

※1 ハイブリッド型システム:オーダードリブン方式(売り注文と買い注文の価格が一致すると売買が成立する取引方式)とマーケットメイク方式(複数のマーケットメイカー(証券会社)が提示するさまざまな価格や株数をもとに投資家がニーズに合った取引相手を選択し執行できる取引法式。投資家がマーケットメイカーと交渉して価格や株数を変更することも可能)を組み合わせた取引システム。マーケットメイク方式を取り入れつつ、流動性が一定以上の銘柄についてはオーダードリブン方式の機能も併せて提供するというもの

「米国と欧州、アジアを電子的に結び付けるのがわれわれの夢。地元の取引所と協力してグローバルネットワークを構築し、各国の株式をいつでもどこからでも取引できるようにしたい。ハイブリッド型システムを導入すれば、米国、欧州、日本が同じプラットフォームで取引できるようになる。2003年にはグローバルネットワークが完成するだろう。各国には優秀な企業がある。例えば米国の家庭に日本車があるのは当たり前だが、日本の会社の株を買うのは難しい。われわれはそれを容易にしたい。世界がひとつになってきているのに、金融市場がなぜ各国ごとに分かれていなければならないのか。金融市場も一体化を図るべきだ」

「日本における個人の株式所有率は15%(米国は51%)であり、日本は今後成長の源泉となるだろう、日本は将来に向けて重要な存在。ナスダックは透明性が高く、コストも相対的に低いので、日本の投資家にとって魅力的なものになるはず。米国で提供してきたことを日本でも提供すれば、投資家のプールを拡大できるだろう」と語った。

Simmons氏
Hardwick Simmons氏。米国経済の展望について「私は他人よりポジティブに考えている」

また、今後の米国経済の展望については「私は皆さんが思っているより明るい見通しを持っており、米国経済は早く回復すると思う。2002年第2四半期には良い状況になるのではないか。マーケットは経済の先をいくものであり、第2四半期までにはその傾向が現われるだろう。9月11日の出来事は、何ヵ月も停滞していた状況を変えることとなった。もちろんその直後はマイナス面の影響があったが、来年は好転するだろうし、マーケットがそれを引っ張っていくだろう。米国が回復すれば、欧州や日本も同じようになるのではないか」とコメントしている。

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