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PowerDVD XP Pro

PowerDVD XP Pro

2001年11月25日 14時19分更新

文● 及川晴生

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PowerDVD XP Pro

サイバーリンク

8500円(パッケージ版)
5980円(アップグレード/乗り換え版)

サイバーリンクからPowerDVDシリーズの最新版「PowerDVD XP Pro」が登場した。タイトルどおりWindows XP環境へ対応しただけでなく、新たなフィーチャーも追加されている。

TruSurround XTやdtsデコード搭載
DVDプレーヤの新標準になるか!?

Windows XPへの対応、サウンド関連機能の大幅な強化などが行われた「PowerDVD XP Pro」。画面上の「操作パネル」は標準的なインターフェイスで、迷うことなく使い始められる。下は画面をあまり占領しないシンプルな「コントロールパネル」で、BGV的にDVDを再生したいときはこれで十分だ。
 PowerDVD XP Proから搭載された新機能の中で特に目立つのは、SRS社の「TruSurround XT」テクノロジの搭載である。これは一般的な2ch(ステレオ)スピーカで5.1ch再生時の音声の臨場感を擬似的に再現しようというもの。5.1chスピーカが付属したAVアンプは、現在3~4万円程度で購入できるようになりずいぶんと値ごろ感が出てきている。しかし5.1ch(6本)のスピーカの設置場所をどうするか、という問題は付きまとう。スピーカ自身は小さくとも、音響効果的に最適な位置へ配置しようとすると、リスニングポイントを中心にそれなりのスペースが必要となるからだ。このスペース面での問題から5.1chスピーカの導入に二の足を踏んでいるユーザーは多いだろう。こうしたユーザーにとっては、2chスピーカで臨場感ある音声が楽しめるTruSurround XTの意義は大きい。



音声出力の設定画面では、出力する環境(スピーカ)やサウンドの種類を選べるほか、TruSurround XTやドルビーヘッドフォン、ドルビープロロジックIIの設定を細かくカスタマイズ可能だ。
 実際に2chのスピーカで視聴してみると、その効果をハッキリと実感できた。さすがに後方から音が聞こえてくる、という場面では(5.1chスピーカと比較して)物足りなさが否めないものの、左右の音場に関してはTruSurround XTとただのステレオ環境では大きな違いがあり、TruSurround XTをOnにするとハッキリと音に広がりが出てくる。場面によっては、まるで真横にスピーカがあるかのように音が鳴り響くのには驚いてしまった。なお、TruSurround XTには、サラウンド時に周囲の音に紛れてしまいがちな人の声を聞き取りやすくする「Focus」と、低音を補う「TruBass」も含まれている。

 さらに前バージョンでは未対応だった、ソフトウェアでの「dts」(Digital Theater Systems)のデコードが可能になった点もPowerDVD XPの大きな目玉だろう。DVD-Videoの音声にはリニアPCMとドルビーデジタルが広く採用されているが、もう1つのサラウンド規格であるdtsも最近は普及しつつある(パッケージにdtsシールを貼ったタイトルをよく見かけるようになった)。dtsのソフトデコードに対応したことによって、アンプなどが対応していない場合でも、dtsサラウンドを楽しめるというわけだ。このほかにもヘッドフォンで疑似サラウンド環境を実現する「ドルビーヘッドフォン」や、2chで収録されている音声を5.1chに割り振る「ドルビープロロジックII」などに対応し、サウンド関連の機能は非常に充実している。


PowerDVD XP ProとPowerDVD XPの機能比較一覧表
製品名 PowerDVD XP Pro PowerDVD XP
6ch出力 ×
ドルビーヘッドフォン
ドルビーデジタル出力
ドルビープロロジックII出力 ×
A3D/DirectSound 3D出力
dtsデコード △(S/PDIF出力+外部デコーダで再生可能)
SRS TruSurround XT ×
LFE(重低音出力)

スキンを切り替えると、右クリックメニューもそのスキンの雰囲気に合わせて色が変わるなど、なかなか芸が細かい。また、それぞれのスキンごとにシンプルモードのリモコンも用意されている。
 サウンドだけでなく、前バージョンから定評のあった良好な画質はそのまま受け継がれており、完成度は非常に高い。さらに今回から「カラーコントロール」機能が追加され、色合いやコントラストが調整可能になった。デフォルトの状態でも特に問題は感じなかったが、PCのモニタでは暗いシーンが見づらいといった場合にも細かく調節できてありがたい機能だ。カラー設定はファイルに保存、読み込みも可能だが、タイトルに応じて自動的に設定を呼び出す機能は持っていない。できれば、次回のバージョンアップでサポートしてほしいところだ。

 インターフェイスも良好だ。操作パネルは分かりやすく、基本的なDVD再生であればマニュアルを読まなくても使える。DVD表示用のウィンドウを最大化すると全画面表示になるのだが、このとき1クリックで操作パネルの表示/非表示を切り替えられるのも便利だ。さらにカーソルを画面の最上部まで持っていけば、再生や一時停止といった基本的なボタンのみが並ぶ「ツールバー」が表示される。また前バージョンと同様、受光部をUSB端子に接続するワイヤレスリモコンも利用できる(バンドルパッケージはProではなく後述のノーマル版のみで価格は6800円、リモコン単体も2300円で購入可能)。マウスでの操作が煩わしいなら、こちらを試してみてはいかがだろうか。

 なお今回紹介したPowerDVD XP Proのほか、dtsデコーダやTruSurround XT、Dolby Pro LogicIIなど、主にサウンド関連の機能を省いた「PowerDVD XP」(3980円)も用意されている。ただ、2chスピーカ/dts対応環境なしというユーザーであれば、TruSurround XTやdtsデコードを試し、その効果をぜひ実感してほしい。



その他のスキンとスキン選択画面。標準で用意されているスキンの数は少ないが、「http://www.dvdonet.com/」などのサイトでPowerDVD用のスキンをダウンロードできる。
PowerDVD XP Proの主なスペック
価格 8500円(パッケージ版)、5980円(アップグレード/乗り換え版)
発売元 サイバーリンク
対応OS Windows 98 SE/Me/2000/XP
CPU PentiumII-450MHz/Celeron-500MHz以上/Athlon-500MHz以上(Windows 98 SE/Me)、PentiumIII-500MHz/Celeron-550MHz以上/Athlon-550MHz以上(Windows 2000/XP)
HDD 40MB

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