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『Xbox』の製造を請け負うシンガポールのフレクストロニクス、日本法人設立

2001年10月19日 23時43分更新

文● 編集部 佐々木千之

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EMS(Electronics Manufacturing Servces:電子機器受託生産サービス)大手の、シンガポールのフレクストロニクス インターナショナル社は18日、都内で記者発表会を開催し、日本法人“株式会社フレクストロニクス ジャパン”を設立したと発表した。

(株)フレクストロニクス ジャパンは、フレクストロニクス インターナショナルの100%出資による子会社で資本金は1000万円。設立は8月16日で、本社は東京都渋谷区としている。

フレクストロニクス インターナショナル、アジアパシフィック代表取締役社長兼フレクストロニクス ジャパン社長アッシュ・バードワジ氏
フレクストロニクス インターナショナル、アジアパシフィック代表取締役社長兼フレクストロニクス ジャパン社長アッシュ・バードワジ氏

発表会には、フレクストロニクス インターナショナル、アジアパシフィック代表取締役社長で、フレクストロニクス ジャパン社長を兼任するアッシュ・バードワジ(Ash Bhardwaj)氏、フレクストロニクス ジャパン代表取締役副社長の金丸尚樹氏が出席。5月に提携を発表した国内EMS大手(株)キョウデン代表取締役会長の橋本浩氏も同席した。

フレクストロニクスは、世界各地の通信、コンピューター、医療、家電などの電子機器セットメーカーを顧客に持つ。主な顧客として、スウェーデンのエリクソン社、米マイクロソフト社、米モトローラ社、米デルコンピュータ社、米シスコシステムズ社がいるという。発表会では製造を請け負っている具体的製品名までは触れられなかったが、同社を紹介するビデオにはマイクロソフトが11月に発売する予定の『Xbox』が生産されている様子が映っていた。

世界のEMS企業内でのフレクストロニクスのポジション
世界のEMS企業内でのフレクストロニクスのポジション

同社は世界27ヵ国に87の製造工場を持ち、2001年度(2000年4月~2001年3月)の売り上げは121億ドル(約1兆5000億円)。バードワジ社長によると、'93年には9300万ドル(約115億円)同業社の中で23位の売り上げだったが、それ以降毎年50%ずつ収益を伸ばし、他社との合併などを繰り返して急成長し、2000年からは、米ソレクトロン(Solecton)社に次ぐ世界第2位の座を得ているという。

フレクストロニクスの'96年から2001年までの収益の伸びを示すグラフ。年平均56%の伸びとなっている
フレクストロニクスの'96年から2001年までの収益の伸びを示すグラフ。年平均56%の伸びとなっている

バードワジ社長は、急成長を続けてきた理由として、同社が単純な製造だけでなく、基板設計・製造、材料の物流管理、プラスチック成形、製品テスト、パッケージングまで行ない、トータルのSCMサービスを提供できることを挙げた。EMS企業でこれだけの揃えている企業はなく「顧客企業に対して“ワンストップショッピング”を提供できる」と述べた。

フレクストロニクスが製造を請け負っている企業
フレクストロニクスが製造を請け負っている企業を、製品種別ごとに示した

またライバル企業とのもう1つの差として、そうした多数のコンポーネント製造工場を1ヵ所に集めた“インダストリアルパーク”を持っていることを上げだ。このインダストリアルパークでは、材料から製品を作って出荷するまでに必要な主要部品の工場が集められているため、輸送のためのコストや時間がかからず、ジャストインタイムの製品製造が行なえるという。また、そうしたインダストリアルパークは、メキシコ、ブラジル、ハンガリー、ポーランド、中国といったコストの安い地域に集中しているとした。

また「米国を中心とした景気後退によって、成長が止まるのではないかと尋ねられるが、不景気になれば大企業は製造コストをより抑えようとするので、我々の収益は増加する」「過去6ヵ月にあった48の案件で、半数以上をフレクストロニクスは勝ち取った」と、景気後退局面でも、同社の成長は続くと自信を見せた。

フレクストロニクス ジャパン代表取締役副社長の金丸尚樹氏
フレクストロニクス ジャパン代表取締役副社長の金丸尚樹氏

日本法人の役割については、金丸副社長が説明した。それによると、日本市場においてはキョウデンとの緊密な提携の元で、プロトタイプ製造から大量生産までトータルサービスを提供できるという。キョウデンは国内に4000社以上の顧客企業を持ち、プロトタイプ製造に大きな強みを持つが、金丸副社長は「顧客企業の中には日本以外での展開を考えているところもあるはずだ。そういうときにはフレクストロニクスがお手伝いする。また、中規模生産であれば、キョウデンが対応できるが、大量生産となれば我々が請け負うというように、キョウデンと協力して良いサービスが提供できる」と述べた。

株)キョウデン代表取締役会長の橋本浩氏
(株)キョウデン代表取締役会長の橋本浩氏

フレクストロニクスは、1月にエリクソン、4月には仏アルカテル社の携帯電話製造事業を任されたほか、この10月には米ゼロックス社の事務機器製造工場を買収して製品製造を代行すると発表するなど、その規模は拡大する一方となっている。日本ではこれまで、自社工場で製品を製造することにこだわりを持つ企業が多く、製造コストを下げるために海外に工場を移すといったことが行なわれてきたが、製造コストの一層の圧縮のために、フレクストロニクスのようなEMS企業に製造を委託するところが増えそうな気配だ。

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