Nvidia、ATIなど少数のメーカーを中心に動いているビデオチップ市場だが、チップセットメーカーとしておなじみのSiSから、「SiS315」という2D/3Dビデオチップが発表された。このSiS315搭載カードとしては、比較的早い段階で市場に出てきたのが、Joytech「3D THRILL 315 PRO」だ。128MBのビデオメモリを装備しながら1万円を切るという実売価格が大変魅力的な製品である。
GeForce2 MXとも近い3D性能
0.15μmプロセスを採用したSiSの最新自社ファブで製造されたという「SiS315」。SiS315搭載カードは価格&性能のバランスが高く、注目できる。 |
しかし、SiS315はSiSとしては初めてハードウェアT&Lエンジンを内蔵。内部256bitバスの3D描画エンジンを持つなど、3D性能的にも期待できそうだ。なお、3D THRILL 315 PROは、コア/メモリの両クロックとも166MHzで、128MBのSDRAMが搭載されていた。しかし、SiS315自体はDDR SDRAMの搭載も可能で、その場合はさらなるパフォーマンスの向上が期待できる。
注目のベンチマークテストだが、比較対象にはSiS305搭載カード(ビデオメモリ16MB)、GeForce2 MX搭載カード(同32MB)、GeForce2 MX400搭載カード(同32MB)を用いた。ちなみにドライバは各チップメーカーの最新ドライバを利用している。また、テスト環境は以下のとおり。
- CPU:PentiumIII-1.0BGHz
- メモリ:256MB(PC133)
- マザーボード:Intel D815EEA(i815E)
- Direct3D:3DMark 2000 V1.1(DirectX 7.1a)、3Dmark 2001(DirectX 8)
3DMark 2000の結果。 |
3DMark 2001の結果。 |
テスト結果はグラフのとおりで、SiS305からは目覚しい進化を遂げているが(これはビデオメモリ容量の差も大きい)、残念ながらGeForce2 MXにはわずか及ばず、GeForce2 MX400搭載カードにも若干の差を付けられてしまった。ただし、内部256bitの3Dアクセラレーションや128MBの大容量メモリが効いてか、高解像度&32bitカラーではGeForce2 MX勢に匹敵するかなり高いパフォーマンスを発揮している。DDR SDRAM搭載モデルが出てくれば、そうした高負荷な条件での逆転も考えられよう。GeForce2 MX400搭載カードが1万4000円前後、本製品が1万円弱ということを考えると、コストパフォーマンスは高い。
VGA端子のほか、S-Video、DVIの各端子も用意されている。デュアルディスプレイ機能も利用可能だ。 |
セカンダリ側もこのように1280×1024/フルカラーでの表示が行えた。 |
それなりの3D性能にデュアルディスプレイ機能を持ち、しかも1万円を切る価格とくれば、お買い得度は高い。コストパフォーマンスを重視する自作ユーザーには注目の製品だ。
「3D Eagle Eye」と呼ばれる、Direct3Dアプリで3Dオブジェクトを透過化やワイヤーフレーム化して表示するユーティリティも添付される。このサンプルでは、壁越しに窓が透けて見える。1st Personビュー系アクションで便利かも? |
製品名 | 3D THRILL 315 PRO |
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メーカー名 | Joytech |
輸入販売元 | アイル |
ビデオチップ | SiS315 |
ビデオメモリ | 128MB SDRAM |
最大解像度 | 2048×1536ドット/フルカラー/60Hz |
対応OS | Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000 |
URL | http://www.joytech.com/ |